鈴江さんからの要求・・・
鈴江さんは、太吉さんに「私たちの老後のための貯金」と言って、
月々10万円を渡すように要求してきました。
60歳を手前に交際を始め、結婚を考えていないとは言い出せなかった太吉さんは、
鈴江さんに10万円を渡す代わりに、
貯金している通帳をしっかり見せてもらいたいと申し出ました。
そして、鈴江さんは「もちろん」と言い、太吉さんからお金を受け取りました。
しかし、その後太吉さんが通帳を見せてほしいと言っても鈴江さんはのらりくらりとかわし、
通帳を見せぬまま次の月も太吉さんに10万円を要求してきたのです。
太吉さんが鈴江さんとの交際に関して悩んでいたとき、
太吉さんの母が心筋梗塞で突然亡くなってしまいます。
喪主を務め、兄弟たちもそれぞれ帰っていったある日、
太吉さんが実家で遺品整理をしていると、突然鈴江さんがやってきて、
「私たちは家族も同然だから、これからはお手伝いさせていただきますね」と言い、
兄弟はみな遠くに住んでいるので、自分だけでは荷が重いと感じていた太吉さんは、
鈴江さんの申し出をありがたく受け入れ、手伝ってもらうことに。
そして、もしもの時の為にと要求されるがままに合鍵を渡してしまいました。
ある日、太吉さんが実家に行ってみると、母の洋服などがゴミ袋に入れられているのを発見。
鈴江さんに「勝手に片づけはしないでほしい」と言うと
「手伝ってほしいと言ったのはあなたでしょ」
と言われてしまいました。
宝石や時計なども触られている形跡があり、
父の形見の遺品などもまとめられていました。
さらに驚いたのが、いくつかの遺品が見当たらなかったので鈴江さんに聞いてみたところ
「売却した」と言うのです。
太吉さんは、この話を兄弟に相談。
すぐに兄弟が集まり、今の状況を確認。
さらには鈴江さんを紹介してくれた親戚に話を聞きに行ってくれました。
そして、驚きの事実が分かりました。
実は、親戚はかねてから鈴江さんに太吉さんを紹介してほしいと言われていたそうです。
あまりにもしつこかったため、太吉さんを好きなのかと思い
「太吉さんが幸せになれるなら」と思って紹介したというのです。
すぐに兄弟は、太吉さんに鈴江さんと別れたほうがいいと説得。
しかし、太吉さんは、鈴江さんから
「遺品の整理が終わったら籍を入れて実家に一緒に住もう」と言われていました。
太吉さんは、鈴江さんがお金を欲しがることや
勝手に遺品整理をしてしまうことには不満がありましたが、
このまま独身でいることを考えたら、面倒見がよく明るい鈴江さんと
結婚して生活していくのも悪くないかもと考えていたのです。
鈴江さんに関して信頼がおけず、
太吉さんまでもが取り込まれつつあることに不安を感じた兄弟は、
探偵に鈴江さんに関して調査を依頼することに。
聞き込み調査の結果、
鈴江さんは過去の結婚中に夫名義で多額の借金をしていたことが発覚。
そしてその借金を未だに少しずつ返済していることも分かりました。
しかもその借金の使い道は「パチンコ」。
さらに調査の結果、現在もパチンコに通っていたのです。
兄弟はその結果を太吉さんに報告。
お金目当てで財産を使われてしまう可能性が高いから、
結婚はしないほうがいいと伝えたそうです。
太吉さんは、とても悩んでいましたが鈴江さんと別れること選んだといいます。
鈴江さんは「結婚詐欺だ」と慰謝料を請求してきたそうですが、
兄弟とともに調査報告書をみせて
「鈴江さんこそ、大切なことを話していなかった」と話したそうです。
鈴江さんは、親戚のいる職場で未だに働いていて、
お互い何もなかったように過ごし、太吉さんは実家に引っ越したそうです。
親戚・兄弟の中でその話をすることは何となくタブーとなってしまいました。
太吉さんにとっての幸せは いったい何だったのでしょうか?
(2018.03.16)