連絡が来るときは、お金の話

すぐに返すと言ったきり、やはりすぐには隆太さんからの連絡は来ませんでした。
そして翌月、また隆太さんから
「お金を返すために割の良い仕事をしたけど、給料が振り込まれるのは再来月で、
給料が入ればお金も返せるし余裕もできるけど
仕事のためにカードで道具も買ってしまって、
その支払いのためにまたお金が必要になってしまった。
今月も生活費の工面が出来ないから、35万円貸してほしい」
と連絡が。

立て続けにお金を貸してほしいと言う隆太さんを心配して
「お金はすぐに返さなくてもいいけど、堅実に生活してほしい」
と伝えましたが、
「カードを止められたら、東京での生活は終わる。ご飯も食べられない」
とイライラとした様子でまくしたてられ、優子さんは仕方がなくお金を振り込みました。

それから2週間後、また隆太さんから連絡が来ます。
「借りたお金を投資した株で200万円負けてしまった。
これで最後だから、200万円どうにかならない？」
優子さんは、「額が大きいから、さすがにお父さんに内緒は無理だよ。」と伝えました。
すると、「もう最後だって言っているだろ。まあいいや。言ってもいいけど絶対に振り込んでね。
じゃないと、ヤバいことになるから。」と、開き直った様子で、電話を切られてしまいました。

すぐに息子のもとに駆けつけると……

優子さんはすぐに夫に相談。今までの経緯も含めて、全てを話しました。
夫は怒り「すぐに東京に行くぞ」と翌日すぐに飛行機に乗り、息子に会いに行くことに。
出発前、隆太さんに「お父さんと朝いちばんの飛行機で行くから。」ということと到着時間を伝えると、
隆太さんはすぐに空港までやってきました。
家に連れていけという夫に対し、隆太さんは近くの喫茶店で話すことを提案。

髪型や服装がだいぶ派手になっていたことや、
平日の昼間にすぐに迎えに来たことに優子さんは違和感を覚えました。
喫茶店の中で夫と隆太さんは口論になり、話を聞ける状態ではありませんでした。
最終的にお金は渡さず、そのまま午後の飛行機で北海道に帰ることになりました。

最後の最後まで、「100万円でもいいから、とにかく金がないとやばいんだ」
と言い続ける隆太さんの顔が忘れられず、
優子さんはこっそり隆太さんに100万円を振り込みました。

お金が必要だった本当の理由

そして夫と相談して、隆太さんが東京で何をしているのか、探偵に行動調査をお願いすることに。
調査の結果、隆太さんは東京で悪い仲間とつるみ、しょっちゅう呼び出されていました。
さらには違法ギャンブルや高級風俗店にもハマり、
利息の高い金融屋さんからお金を借りていて、その返済にも追われていました。

ろくに働かずに、借金まみれ……嘘をついて親にお金を借りていたのです。

その後、隆太さんは両親から懇々とお説教され、実家に帰る事となりました。
その際に司法書士など専門家の力を借りて「支払うべき借金」は両親が返済したそうです。

嘘をついていたのに助けてくれた両親に感謝して、
これからは真面目に働き、親孝行をしていってほしいですね。

(2018.06.21)