娘をどこまで信じたらいい?
彼氏と話しても釈然としない沙千恵さんは、状況を夫に話して「警察に通報しよう」と決意しました。
すると翌朝、真樹さんの携帯電話からまた着信があったのです。
今度は真樹さん本人からの電話でした。
電話口の真樹さんはいつもと変わった様子もなく
「昨日は気持ちが悪かったから彼に連絡してもらったんだ。子どもが生まれたら見せに行くから
心配しないで。っていうか、私のこと本当に考えてくれてるなら探したり、もう干渉しないで」
と、言われてしまったのです。
沙千恵さんは、悩みましたが、いったんは真樹さんのことを信じるしかないと、
警察に行くことはやめて真樹さんからの連絡を待つことにしました。
しかし、いつまで待っても真樹さんからの連絡はなく、次に連絡がきたのは
「真樹さんが一度も病院にも行かず、母子手帳も無い状況で、バイト中に救急車で運ばれて緊急出産した」
という知らせでした。
急いで病院に駆けつけましたが、彼は来ておらず真樹さんに彼のことを聞いてもなにも答えず……
病院にも行かず、経済的にも厳しいと判断された真樹さんの子どもは乳児院で育てられることになってしまいました。
そしてその1カ月後、真樹さんから「入籍した」という連絡が突然入り
やっと、彼の実家や勤務先を教えてくれたのです。
真樹さんは、沙千恵さんに「実家に彼と挨拶に行く」と約束をしましたが、
真樹さんが彼氏と実家へ挨拶に訪れることは無く、何度も約束をすっぽかし、
何かしらの理由をつけては「仕方なかった」と行けなかった言い訳をするのでした。
娘を助けたい!
そして2日前のこと、どんなに「帰って来るように」と言っても帰って来なかった真樹さんが、
身一つで実家に帰ってきました。
顔やカラダにあざがあり、真樹さんが暴力を受けていることは誰の目から見ても明らかでした。
その夜、真樹さんは「離婚して家に帰って来たい。子どもと一緒に暮らしたい。助けて・・・」と
泣きながら沙千恵さんに訴えました。
しかし翌日になると真樹さんは、「帰らないと。やばいから!」と、
引き留める沙千恵さんを振り払い、また彼の待つ家に戻ってしまったのです。
沙千恵さんは、真樹さんを救い出さなければと、探偵に調査を依頼することに。
先ずは真樹さんの居場所を特定し、それから結婚相手や実家のことを調査してもらうことにしました。
調査の結果、住んでいる場所が判明し、真樹さんは夫から紹介された風俗店で
働いていることが分かりました。
その夫は定職には就いておらず、イベントなどをして日銭を稼ぎ、普段はフラフラと遊びほうけ、
真樹さんの稼ぎで暮らしているようでした。
そして、夫の身内は借金を抱えた母一人だけ……それもほぼ絶縁状態だということが分かりました。
真樹さんから聞いていた話と違うことだらけで沙千恵さんは驚き、
「絶対に連れ戻さなくてはと」と強く決意をし、
「これからどうするか、しっかり考えて動きます」と言っていました。
しかし、本人も「離婚したい」と思っていても、
本人自らもそれに向けて動かなければ、状況を変えるのは難しいことです。
真樹さんは今が生活を変えるチャンスです。
それに気づいて、お母さんという強い味方の力をかりて、しっかりと立ち直ってほしいですね。
(2019.04.11)