一等地の一軒家を持てることに
良太郎さんと志保さんが、「妊娠」の報告をし、同時に「家を購入する予定」だと、
志保さんの両親に話したところ、志保さんの両親から
「今、駐車場として貸している土地に家を建てたらどう? 将来はあなたたちの土地になるんだし」と、
思ってもない、ありがたい提案をされました。
しかも、贈与税などのことを考えて、名義は親のままにして無料で貸してくれると言うのです。
都会の一等地を無料で貸してもらえると聞いて、
良太郎さんの頭の中には「都心の一等地に家を建てられる」という夢が広がりました。
そして、志保さんの両親の土地に家を建てることを決意したのです。
家を建てるにあたって、良太郎さんの両親は
「志保さんの両親にお世話になって申し訳ない」という気持ちから、
家を建てる費用をかなり援助してくれました。
そして良太郎さんと志保さんの間には3人の子どもが生まれました。
志保さんの両親は孫のことを大変可愛がり、
家も近いということで誕生日やクリスマスなどの行事は志保さんの両親と過ごすことが多くなりました。
一方、良太郎さんの実家にも年末年始、お盆休みには必ず孫の顔を見せに行き、
お互いの両親との関係も良好で、順調な夫婦生活を送っていました。
妻が急変して離婚を要求
そんな夫婦関係がおかしくなったのは2カ月前のことでした。
突然志保さんの態度が冷たくなり、何かにつけて文句を言うことが増えたのです。
そして先月「愛情がなくなったから離婚したい」と……。
良太郎さんは「そんなことが簡単にできるわけがない」と言いまいたが、
志保さんは良太郎さんの顔を見るたびに離婚話を持ち出し、
先日、仕事で疲れていた良太郎さんは、あまりにうるさく言われ、
つい「わかったから黙ってくれよ」と言ってしまったのです。
翌日志保さんは「この土地は父のものだし、子どもの学校もあるので、あなたには出て行ってほしい」と
良太郎さんに言ってきたのです。
そして「父がローンを引き継いでくれると言っているから、家の名義を父に変更をしてもらいたい」と……。
孫を可愛がっている志保さんの父が、志保さんを援助するのは目に見えて分かっていましたが、
一方的に離婚を告げられ、自分の親もかなり費用の援助をしてくれた家を、
簡単に名義変更するなど良太郎さんには納得のできる話ではありませんでした。
また、突然志保さんの態度が変化したことには気に掛かることがありました。
親友にも「志保さんの浮気」を疑われ、良太郎さんが有利に動くには、
まず、その証拠を掴むのが先決なのでは?とアドバイスをもらい、
探偵に志保さんの浮気調査を依頼することにしました。
調査の結果、志保さんは良太郎さんが知らない男性と不倫をしていることが分かりました。
しかもその男性も既婚者で、なんと志保さんはW不倫をしていたのです。
良太郎さんは、もし証拠が取れたら、それを武器に離婚を拒否しようと考えていましたが、
実際に不倫現場の報告書を目の当たりにして「あぁ…もう無理だ」と、離婚を決意。
そして、良太郎さんは報告書を志保さんの父に見せた後、
「家は名義変更ではなく、売却を考えています。お義父さんが買ってくれるなら、
そのまま志保さんは住むことが可能だと思いますが、どうしますか?」と尋ね、
結果、良太郎さん名義の「家」は、
不動産屋を通じて「志保さんの父」に相場以上の額で売ることが決まりました。
さらに、志保さんと相手の男性には慰謝料を請求……
相手の男性は「自分の家族にだけは知られたくない」と、
すぐに示談に応じ良太郎さんに慰謝料を支払ったそうです。
良太郎さんは、「子どもとちゃんと会えるように、しっかり取り決めたい」と話していました。
お金も権力もある志保さんの父を目の前に、
一時は(無き寝入りをするしかないのか)と諦めかけていたそうですが、
志保さんの浮気の証拠が良太郎さんの強い武器になりました。
そして手にしたお金は、良太郎さんの再出発のために役立つといいですね。
(2019.04.18)