夫が問題行動を起こすのはなぜ? 夫の異変に気が付いた妻ができる「あること」とは 家族のトラブル
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こんにちは。らむねです。
超高齢化社会を迎えた今 、自分の両親の認知症が知らぬ間に進行し、「徘徊」をするようになって初めて気が付いたという話や、「万引き」をしてしまい、警察から呼ばれて気が付いたという話は珍しくないようです。
「あれ?」
と異変に気が付いたときに対処していたら、もう少しできることがあったかもしれない……今回は、夫のある行動に認知症の疑いを感じた妻のお話です。

夫が問題行動を起こすのはなぜ? 夫の異変に気が付いた妻ができる「あること」とは

米山美月さん(82歳)の夫・朔太郎さん(78歳)は、2人暮らし。年金生活で悠々自適に暮らしています。
美月さんが、朔太郎さんの変化に気が付いたのは半年前くらいのことでした。この頃から朔太郎さんの帰宅が夕飯の時間を過ぎることが多くなってきたのです。
もともと友人も多くアクティブな朔太郎さんが1人でふらりと出かけることは多くありましたが、夕飯までには必ず帰って来る、もしくは夕飯までに帰れないときには事前に連絡をすることを欠かしたことはありませんでした。
そんな朔太郎さんが連絡もせずに夕飯の時間になっても帰って来ないことは、美月さんからしたら「ありえない」ことでした。帰宅が遅い理由を聞いてもなぜか不機嫌に返事をされるだけで、どうして帰宅が遅くなっているのかは全く分かりませんでした。

美月さんが朔太郎さんに「認知症」の疑いを持ったのは、朔太郎さんから
「変なところへ来てしまった」
と連絡を受けた時でした。
すぐに(バスの終点まで行ってしまったのでは?)と思いましたが、電話の向こうで「場所がわからない!」とパニックになっている朔太郎さんの様子から(これはもしかして……)と思い始めたのです。

ヘルパーさんが来ない日は、決まって朝早くからバスに乗ってどこかへ出かけ、帰る時間はバラバラ……。
何度も同じことを言う・怒りっぽくなるなど、朔太郎さんに認知症の症状を感じることが増えていきました。

どうしてそんなところで?

ある日、美月さんが家でお昼ご飯を食べていると、警察から電話がかかってきました。なんと、朔太郎さんが万引きで捕まったというのです。そして、その万引きしたと言われた場所は、またしてもバスの終点駅にあるお店……。
美月さんが慌てて警察まで朔太郎さんを迎えに行くと、朔太郎さんは腑に落ちない表情で「濡れ衣を着せられた!」と主張してきました。
警察の話では、朔太郎さんがスーパーでポケットに缶コーヒーを入れてお金を払わずにお店を出たところを店員さんに声をかけられたとのことでした。
しかも、お店の話ではこれが初めてではなかったので今回は警察に通報したとのこと……。
美月さんは、お金を支払い謝罪しましたが、店員さんに声をかけられた朔太郎さんが抵抗したことでもみ合いになったらしく、お店のオーナーからは「もうお店に来させないでほしい」と言われてしまいました。

夫の行動が分からない

帰り道、朔太郎さんに用事がないはずのバスの終着地で何をしているのかを聞いても、
「そんなところには行ってない」
と、イライラとした様子で答えるだけ。きちんとした答えは何ももらえませんでした。
美月さんは(もしかしたらバスの降り方が分からなくなってしまったのかもしれない)と思いましたが、朔太郎さんに「認知症ではないか」と伝えるのは逆効果だと思い、まずは朔太郎さんの行動を知ることから始めたいと考えるように。

そして、ヘルパーさんから教えてもらった「認知症の徘徊や見守りをしている」探偵に、朔太郎さんの行動を追ってもらうことにしたのです。
調査の結果、朔太郎さんはバスの中ではいたって普通にしていましたが、終点のバス停を降りてからは、どっちに行くかウロウロ迷っているようにも見えました。
そして、何かを見つけたように歩き出し、万引きをしてしまったスーパーへ行き、缶コーヒーをポケットに入れて、パンを持ちレジに並びパンの料金だけを支払ってお店を出てきていました。
調査員が、お店の人に話をしてコーヒーの代金も支払いましたが、スーパーの店員さんは困惑した様子で、朔太郎さんがそのスーパーでは有名な「万引き老人」として認識されていることも分かりました。

美月さんは報告書を見て、想像よりも朔太郎さんの認知症が進んでいるように感じたそうです。そして、これからは「なるべく一人で行動をさせない」「病院に連れて行く」など、出来る限りのことをしていきたいと言っていました。

認知症は、問題行動や命に係わる行動を起こしてしまうことが多々あります。認知症とうまく付き合い、症状を悪化させないように家族が協力していくためにも、まずはその問題行動が「認知症かどうか」を知ることは非常に重要です。
本人はもちろん、自分自身や家族を守るためにも「高齢者の見守り」はこれからの社会に必要なことでではないでしょうか。

(2019.12.23)

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