仕事のためにどうしても籍を抜きたい？

久江さんは、茂樹さんの気が変わるまで自由にさせておこうと思っていましたが、
冷戦状態が1か月ほど続いたある日、茂樹さんから
「籍を抜く件でもう一度話がしたい」ともちかけられました。
久江さんの気持ちは変わっていませんでしたが、茂樹さんは
「仕事のためにどうしても籍を抜きたい。
自分の人生をかけて、仕事でしたいことがある」
と言ってきました。
しかし、よく話を聞くと「一時的」と言っている割には、
期限も無く、住む場所も引っ越して別々にするなど
言っている意味が久江さんにとっては支離滅裂に感じました。

さらに「そもそも、フィリピンの籍はどうするの？」聞いてると、
「入籍するのを待ってくれている女性がいる」と言うのです・・・。
久江さんは、見ず知らずの女性の登場や
茂樹さんが急いで「一時的に」籍を抜きたがっている様子に違和感を覚えました。
結局、この日も話し合いは平行線のままでした。

真実はどこにある？

久江さんは茂樹さんのお兄さんに、
仕事で本当にフィリピン籍が必要なのかをさりげなく聞いてみましたが、
「あればあるでいいのかも」などとはっきりとした返事はもらえず、
お兄さんも事情を知っているのだなと直感的に感じました。
久江さんの知っているフィリピン人の従業員は全員男性で既婚者。
真実が何も見えなく、相手の女性についても全く分からない久江さんは、
探偵に調査を依頼することにしました。

調査の結果、茂樹さんは仕事とは全く関係の無いフィリピン人の女性と頻繁に会い、
家にまで出入りしていることが分かりました。

さらに、その女性はフィリピンパブで働いていて、
茂樹さん以外にも何人かの男性と同じように会っていました。
茂樹さんよりだいぶ若いその女性と茂樹さんは外でも手をつなぎ、
堂々と恋人のように振舞っていました。

久江さんは、その調査報告書を見て、
「真実が知れてよかったです」と、呆れていたと言います。
離婚には応じず、もうしばらく放置して様子を見ると言っていました。

長年連れ添った妻に嘘をついてまで離婚を従っている茂樹さんですが、
その女性にとって茂樹さんは、
お店のお客さんの一人だということにまだ気が付いてはいないようです。
久江さんに愛想をつかされてしまう前に、真実に気が付けるといいのですが・・・。

(2018.03.19)