夫はもしかしてモラハラ?
子どもたちも無事に大学に進学したころ、上の子から
「お父さんって、お母さんに対してモラハラじゃない?」
と言ってきました。
日常的に怒鳴られ、すべてを秀隆さんの言う通りにしなければならない生活が
当たり前になっていた絵美さんにとって、その言葉は衝撃的なものでした。
テレビや雑誌では聞いたことがある言葉でしたが、
まさか自分がそうだとは気が付いていなかったのです。
娘の一言で絵美さんはモラハラについて調べてみると、
秀隆さんがこれまで自分にしてきたことはモラハラだったのだと確信しました。
それと同時に
(本当に耐えられなくなったら、子どもたちが就職をして独立をした後に離婚をして
自由に生活すればいいんだ)と考えるように。
すると、なぜか気持ちが楽になり秀隆さんが怒鳴っても以前より気にならなくなり、
自然と明るくふるまえるように。するとさらに変わったのは秀隆さんでした。
短気なところは変わりませんでしたが、以前よりも執拗に怒鳴ることが減ってきたのです。
絵美さんは、この変化に(これなら、うまくやっていける)と思うようになりました。
どこまでも自分中心の夫
子どもたちがそれぞれの予定で夜遅く帰ってくることになっていたある日の事、
絵美さんがいつも通りに夕飯の支度をしていると、秀隆さんから
「今日は残業で職場の後輩とラーメンでも食べて帰るから夕飯いらない」
との連絡がありました。絵美さんが
「了解です。頑張ってね」
と返信をすると、その直後に、また秀隆さんからこんなラインが来たのです。
「みいちゃんお仕事お疲れ様。今日も会えるようになったから、夜ごはん一緒に食べよー。」
と……。
絵美さんはとっさにそのラインをキャプチャして保存。
そして、そのラインをもう一度見直しました。
何度見直しても秀隆さんからの、女性に向けられたラインだということは変わらず、
絵美さんはそれを見た瞬間全てを悟りました。
(しばらく前から残業が増えたのも、ちょっと前から態度が変わったのも、
浮気をしていたからなのかもしれない)
絵美さんは全身が震え、今までにないような憤りを感じ、
絶対に許さない!と心に決めました。
秀隆さんからは
「かわいがってる男の部下を励ますつもりで、ふざけて送ろうとしたラインを、
間違えて送っちゃった」
とラインが来ていましたが、それにはあえて、「そうだったんだね! 大丈夫だよ」と返信。
証拠を取って対処するために、すぐに探偵に浮気調査を依頼しました。
調査の結果、絵美さんの予想通り、秀隆さんは不倫をしていました。
その女性は以前派遣で秀隆さんの会社に働きに来ていた女性で、
今は秀隆さんの会社の近くで働いているようでした。
しかも、その女性は既婚者だということも分かりました。
絵美さんは離婚を有利に進めるために、
探偵に紹介してもらった弁護士と二人三脚で話を進めていくそうです。
常に絵美さんの味方をしてきた子どもたちも、
全力で絵美さんをサポートすると言ってくれているそうです。
結婚後、絵美さんを言いなりにさせ、浮気までした秀隆さんには、
その代償をしっかりと噛みしめてほしいですね。
(2018.08.15)