意見が急に変わる妻

娘が幼稚園に入ったら働きたいという雅代さんに、陽一さんはなんの疑問も抱きませんでした。
しかし、今度は「やっぱり幼稚園じゃなくて、保育園に入れたい」と言ってきたのです。
さらに
「そのためには私が働いていないといけないから、すぐに仕事を探し始めたい。
そして、仕事が決まったら、娘は認可外保育園に入れて、保育園の空きを待ちたい」
という雅代さんの変わりぶりを、
さすがに（どうしてそんな急ぐの？）と陽一さんは不思議に思いましたが、
（雅代がそうしたいなら）と、特に反対もせずに受け入れることにしました。

陽一さんは相変わらず仕事が忙しく、休日しか家族と過ごす時間が持てないような状況でした。
雅代さんも、仕事を探してはいるようでしたが、前職が営業職ということや、
小さい子どもがいると言う理由で、希望する仕事はなかなか決まらず苦戦しているようでした。

ある休日、雅代さんが美容院に行っている間、娘と２人で留守番をしていたときのこと。
DVDでも見ようかと、娘に「なにか、パパとテレビみようか。なにがいい？」と話しかけました。
すると娘は、「あ、大きなお部屋のお店やさんで見よう！」と、答え、
さらに「お子さまランチがあるところ、パパも行こうよ」と言ってきたのです。
陽一さんが「大きなお部屋ってどこかに行ったの？」と聞くと、「うん。ママとしょうちゃんと行った」と答え、
最近、その「しょうちゃん」というお友達とその場所へ、よくごはんを食べに行っているとのことでした。
娘の話から、場所がどこなのかは分かりませんでしたが、
おそらくカラオケか居酒屋ではないかと予想しました。
雅代さんから、その「しょうちゃん」という男性のことを全く聞かされていなかったので、
何かモヤモヤした気持ちでその話を娘から聞いていました。
しかし、娘も一緒に会っているなら、やましいことはきっとないはず……
陽一さんは変に疑うのは止めようと、そのことを雅代さんに確認しませんでした。

突然の言いがかりで家出……

しかし、その数日後、雅代さんが突然「あなたは私に興味がない」と、言いがかりをつけてきました。
陽一さんがどんなに「そんなことない」「なにか不満な事があるなら言って」となだめても、
雅代さんの怒りは収まらず、次の日に娘を連れて、「しばらく、連絡しないでください」と、
実家へ帰ってしまったのです。

陽一さんは、雅代さんのその行動を全く理解できずに困惑していましたが、
先日娘が言っていた「しょうちゃん」のことを思い出しました。（もしかしたら、浮気？）と、
信じたくない気持ちでしたが、（もし、そうだったとしたら）と不安になり、
陽一さんは真実を知るために探偵に浮気調査を依頼することにしました。

調査の結果、雅代さんは前職の後輩と不倫関係にあることが分かりました。
そしてその後輩こそが「しょうちゃん」だったのです。

さらに子どもの一時預かりサービスなどを利用してホテルへ行っていたことも分かり、
その報告書を見た陽一さんは、「まさか、そんなこと」とショックを受けていました。

陽一さんは、「娘のためにも離婚はしたくないですが、このままで良いわけないですよね」と、
困惑していました。
まずは、勝手に離婚をされないように、離婚届不受理申出をするそうでが、
これからどうするかは、もう少しゆっくり決めたいと言っていました。

夫婦生活を続けるにも、別れるにも今回の浮気の証拠は強い武器になります。
やさしい陽一さんを裏切り、子どもまで巻き込んで自分勝手に不倫をしている雅代さんは、
自分の間違いに一刻も早く気が付いてほしいですね。

(2019.04.24)