退職後、家族と過ごして気が付いたこと
樹さんは退職後、しばらく家で何もしない生活を送っていました。
今までほとんどいることのなかった家に居て、樹さんが気が付いたことは
「平日はそれぞれみんな忙しい」ということ。
子どもたちは仕事や友人との予定で忙しく、由紀さんも習い事や友人との付き合いで
家を空けることが多くありました。
樹さんはこれまで知らかなった家族の色々なことを肌で感じ、
(これからはもっと家族との時間を増やしたい)と思うように……。
まずは夫婦でのんびり旅行にでも行こうと由紀さんを誘いましたが、
由紀さんは「習い事やボランティアの予定が入ってるから、長くは無理よ」と
あまり乗り気ではない様子。
しかも「2人じゃ会話もないから、行くなら子どもも誘わない?」と、
2人での旅行よりも家族での旅行を望んでいるようでした。
樹さんは、子どもにも「家族で旅行に行かないか?」と誘いましたが
「仕事休めないから夫婦で行ってきなよ」と言われてしまい、
結局、旅行はあきらめることに。
知らなかった妻の姿
そしてぼんやりと毎日を過ごす中で、樹さんは由紀さんがいつの間にか「スマホ」に変え、
常に誰かと連絡を取り合っていることに気が付きました。
いままで由紀さんの持ち物や行動に全く興味のなかった自分が、
急に由紀さんに興味を持っているようなことを言うのも恥ずかしく、
樹さんは何も聞けぬままモヤモヤと毎日を過ごしていました。
しかし、由紀さんが連絡を取っている相手が男性らしいということが分かると、
樹さんは突然言いようのない嫉妬心に駆られたのです。
もしかしたら、ランチや旅行も浮気相手と行っていたのかも。
だから俺と2人で旅行に行くのも嫌がっていたんだ。
そう思った樹さんは、由紀さんや家族には何も聞かずに、探偵に浮気調査の依頼をすることに。
数日間に及ぶ行動調査の結果、由紀さんは男性を交えたグループで
いつも行動していることが分かりました。
しかし、その中の男性と特別な関係を持っている様子はなく……。
しかし、その報告書を見て「男が一緒にいるなんて聞いたことが無かった」と、樹さんは激怒。
すぐに由紀さんにそのことを詰め寄ったそうです。
すると由紀さんは
「今までさんざん家族のことをほったらかしておいて、勝手なこと言わないでください」
と反論したそうです。
そして樹さんは、
「この中の男性とは何もありませんが、あなたが私を疑うなら、離婚してもらって結構です」
と言われてしまったのです。
家族のために一生懸命働いてきた樹さんですが、
その家族に「家族をほったらかしていた」と思われていたのです。
樹さんが「家族が大切だ」と思っている事を、これからの人生でしっかり伝えていけるといいですね。
(2019.06.17)