両親が倒れた時、引きこもりの息子はどうなるの?
高貴さんが33歳の時、父親が脳梗塞で倒れたのです。
幸い命に別状はありませんでしたが、軽度のマヒが残ってしまったと言います。
(もしも、私たちが死んでしまったら、息子はどうなるのか・・・)
今まで高貴さんについて、事を荒立てないように生活していた両親は、
初めて本気で「このままではいけない」と思ったそうです。
そして、高貴さんの自立のために色々と調べていたところ、
三好さんと出会ったと言います。
息子を自立支援センターに入所させるまで
両親は三好さんとも何度も話し合い、高貴さんに歩み寄る努力をしたそう。
高貴さんが話を聞いてくれるようになるまでに、1年以上もかかったと言います。
そして、三好さんの自立支援センターに入所。
3年かかり、就職をするところまでたどり着きました。
元々真面目で、自分の思った通りに物事が進まないと
ストレスを抱えてしまう高貴さんですが、
センターに入所してから、かなり柔軟になったと言います。
早めの救いの手を
しかし、就職してしばらく経った頃。
高貴さんは職場に出社せず、突然いなくなってしまったそう・・・
三好さんが、センターの周りや実家の近くをご両親と共に探し回りましたが、
いくら探しても見つからず、探偵に家出調査を依頼することに。
ご両親と高貴さんの勤め先の方の協力もあり、
職場のパソコンの検索履歴や、ATMの利用履歴を足掛かりに捜索した結果、
隣町のカプセルホテルで高貴さんが見つかりました。
高貴さんは、発見された時、ホッとしたような気まずそうな顔をしていたと言います。
やっとの思いで就職までたどり着き、今度こそは失敗したくないと思っていた矢先に
職場でちょっとしたミスを連続してしまい、自信を失い、
逃げ出してしまったと高貴さんは三好さんに語っていたそうです。
しかし、三好さんは、そんな高貴さんを責めることはせず、
もう一度ちゃんと話そうと、センターに連れて帰ったと言います。
現在、高貴さんはまた三好さんのもとから仕事に通い始めたそうです。
三好さんや両親の諦めない気持ち、なにより本人の気持ちが確実に前を向いた今、
失った時間を取り戻せるのは、もうすぐかもしれませんね。
(2018.02.08)