楽しいママ友会と自分の立ち位置

いつものようにママ友会に参加していた時のこと、
音羽さんはいつもとは違う空気を感じとります。
オシャレのことや、夫の帰りがいつも遅いことを、
嫌味っぽく言われたような気がしたのです。

「気のせいかな？」

と思いましたが、どう考えてもママ友たちは今までとは違う様子でした。

さらに、音羽さんが知らないところで、
仲の良いママ友たちが出かけているようにも感じました。
音羽さんが「みんなで、どこかに行ったの？」と聞いてみると、
場は静まり返り、余計なことを聞いてしまった感がその場に流れてしまいました。

音羽さんは学生時代から明るく、友達の輪の中心にいるタイプ。
仕事を始めてからも、職場の人とうまくやってきたという自負がありました。
ママ友たちに嫌われるようなことをした心当たりがない音羽さんは、
子どもに最近変わったことがなかったかを聞いたと言います。
しかし、子どもたちは、いつも通り。特に何もなさそうでした。

そしてママ友会からフェードアウト・・・

そして、音羽さんも入っているママ友のグループラインに
メッセージを送る人は徐々にいなくなりました。
しかし、ランチ会やお茶会がなくなったとは思えず、
自分だけが仲間外れにされていることは予測がつきました。
音羽さんは悩み、夫に相談しましたが、
夫からは
「気にしすぎだよ、むしろ煩わしい付き合いが減ってよかったじゃないの？」
と言われ、深刻に受け取ってはくれませんでした。

突然仲間から外されてしまったのには理由があるはず、
近所でよからぬ噂が立っているのでは？と思った音羽さんは、
探偵に風評被害についての調査を依頼。
聞き込み調査が行われました。

音羽さんのことを悪く言っている人はいませんでしたが、
音羽さんは「住む世界が違う人」「私達とは話が合わない」
などの声が聞こえました。
もしかしたら、いつもママ友会で音羽さんが話していたことが
周りのママ友たちには自慢話に聞こえていたのかもしれません。

最上階に住み、バリバリと仕事をする忙しい夫を持ち、
そんな中でもパートと子育てを完璧にこなすオシャレで明るい音羽さん・・・。
みんなと仲良くなりたいがために頑張っていたことも、
「自分とは違うセレブな人」に見えてしまっていたのかもしれませんね。

(2018.03.01)