突然変わった事情
足が悪いながらもどうにか一人で暮らしてきた茂樹さんに、事故が起こりました。
茂樹さんはいまから半年前に家の前の段差で転んでしまい、
大腿骨を骨折。2か月の入院生活で、すっかり元気も食欲もなくなってしまい、
ほぼ寝たきり状態になってしまいました。
退院後、めぐみさんの献身的な協力とリハビリで車いすには座れるようにはなりましたが、
一人で生活することは難しく、
茂樹さんと相談して「今の家には帰らずにめぐみさんの家の近所にあるケアホームで暮らす」
ことになりました。
めぐみさんは、実家に住む吉川さんを訪ね、事情を説明。
「家を処分することになったので、もう貸せなくなった」ことを伝えました。
しかし、その女性は「ずっと住んでいいと言われている。あんたでは話にならない」と怒りをあらわにし、
話になりませんでした。
その後も何度か話をしようとしましたが、
「こっちは金を払っているんだ」と退去をする様子は一切なく、話も聞いてくれませんでした。
さらには「私が野垂れ死んだらあんたのせいだ」などと、
ひどい言葉をめぐみさんにかける始末に・・・。
法的手段をとらずに退去
困り果てためぐみさんは、身元を引き受けてくれる人がいないのかを探そうと思い
探偵に吉川さんの子どもの居場所を探してもらうことに。
調査の結果、吉川さんの息子が、隣町で暮らしていることが分かりました。
近所に息子がいたことに安心しためぐみさんは、早速その人に会いに行くことに。
話を聞くと、茂樹さんが家を貸したのは、吉川さんのご主人が亡くなり、
実家を引き払って息子さんと同居を始めた頃だったことが分かりました。
吉川さんは、ある日突然家からいなくなり、息子さんはすぐ失踪届を出しましたが見つからず
ずっと心配していたとのことでした。
めぐみさんにお詫びとお礼を繰り返し、母を迎えに行くと言ってくれました。
めぐみさんは息子さんに、1か月後には荷物を片付け完全に撤去することを約束してもらい
家の鍵を渡して、後は任せることにしたそうです。
めぐみさんは「口約束とはいえ、部屋を貸す契約をしてしまった父にも問題はあった」ので
法的手段には出ない方法で解決したかったと言っていました。
その後、めぐみさんの実家から石川さんは息子さんのもとへ引き取られたそうです。
「法的手段」をとらず穏便に解決することが出来て良かったですね。
(2018.06.26)