離婚を切り出された夫は
力男さんは、離婚の申し出を「離婚なんて絶対にしない」と真っ向から拒否しました。
プライドだけは高く、経済力の無い力男さんが、
離婚をすんなり受け入れるはずがないとある程度予測していた由美さんは、
浮気の証拠として保存しておいたラインを突き付け、
「この人からもあなたからも慰謝料をもらおうと思っている」と言い詰めました。
すると今度は逆ギレ。
「お前みたいな女に払う慰謝料は一円もない。何が離婚だ!」と、
手に取るもの全てを由美さんに投げつけ、家の中を壊して暴れ始めました。
両親が警察を呼び、冷静に話し合いが出来るまでは出て行ってほしいと言われた力男さんは、
「こんな家、こっちからお断りだ」と、売り言葉に買い言葉で帰ってこなくなりそのまま別居。
その後も何度か話し合いが行われましたが、そのたびに力男さんは感情的になり、
しまいには「離婚するなら慰謝料も養育費も払わないから!」と言い出す始末……。
由美さんが「それならもう二度と家族には近づかないで」と言うと、
「願ったりかなったりだ!」と言い、自らすすんで接見禁止の念書を書き、
離婚届けにもすんなりサインをしました。
離婚後、自分勝手な夫はすぐに……
しかし離婚後すぐに、力男さんから「復縁したい」と毎日何十回も連絡が来るようになりました。
由美さんはすべて無視し、電話番号やメールアドレスなどもすぐに変えました。
離婚したことで,子どもたちは両親の口論を見て泣くこともなくなり、
両親からの援助もあり、経済的な余裕はないながらにも次第に生活は安定し、
多少の貯金も始められるようになり、
家族全員が精神的に落ち着いた生活を手に入れようとしていました。
しかし、離婚してから半年。小学校にあがった長女が夜中に起きて泣くように……。
そのたびに「どうしたの?怖い夢でも見た?」「どこか痛い?」と問いかけても、ただ泣くばかり・・・。
病院にも行きましたが原因は分からず、
(もしかしたら離婚が原因かもしれない)と由美さんは自分を責めていました。
しかし、ある朝泣きながら起きてきて「お父さんが来るから学校に行きたくない」と言ったのです。
娘を落ち着かせながら話を聞いてみると、ここ数カ月前から、
時々力男さんが長女の学校帰りに待ち伏せしているというのです。
公園に連れていかれ、「お父さんとまた暮らしたいよね?」
「お父さんに会ったことは絶対に秘密だよ。もし言ったらお母さんに怒られるよ」
と何度も何度も言われていたとのことでした。
由美さんは、すぐに弁護士へこのことを話し、
「子どもが精神的に不安定になっているので、待ち伏せして会うのをやめて欲しい」
と力男さんに申し入れをしてもらいました。
しかし、「俺はそんなことはしていない。子どもが俺と会いたくて、
妄想でそんなこと言ってるんじゃないのか?」
との回答が。
弁護士からは本人が認めないし、証拠もないのでこれ以上は何もできないと言われてしまいました。
その後も待ち伏せ行為は止むことがなく、娘の顔から笑顔が消え、いつも怯えているように・・・。
このままでは娘の精神が持たない、何とかしなければと考えていた由美さんは、
力男さんが会いに来るのは決まった曜日だという事に気が付きました。
友人から、探偵が「子どもの見守り調査」をしているという事を聞き、
なんとか証拠をつかもうと調査を依頼することに。
探偵が、由美さんの予想した曜日に数回、下校時の見守り調査をしたところ、
力男さんが長女を待ち伏せしている現場を押さえることができました。
その証拠と、精神的に不安定になってしまった長女が通院している病院の診断書を持って、
再度弁護士から「待ち伏せ行為」を辞めるように忠告してもらうそうです。
今後のことは、これから考えると言っていましたが、
力男さんがしたことは、あまりにも自己中心的で自分勝手な行為です。
これ以上、自分のエゴで子ども達を傷つけることはやめて欲しいですね。
そして、子ども達の幸せを望むなら、
自分の心を入れ替えなければならないという事に力男さんが気付いてくれるといいですね。
(2018.09.06)