毎日会いたい彼が……
交際してから半年が経っても、相変わらず公樹さんは毎日美津穂さんに会いたがりました。
そして美津穂さんが仕事や友人と会う予定を入れると、公樹さんは不機嫌になるように。
ある日、友人とご飯を食べて早めに帰る予定が、久しぶりに盛り上がりそのままカラオケへ行き、
タクシーで帰り、帰宅が午前様になりました。
すると、家の前に公樹さんの姿が……。
(今日は会えないって伝えていたはずなのに、どうして!?)と驚いている美津穂さんに向かって、
公樹さんは開口一番「なんで、嘘をついたの?」と。
そして、「ご飯を食べて早めに帰ると言ったじゃないか!」と、
遅く帰ってきた事に対して「嘘をついた!」とまくし立ててきたのです。
せっかく友人との楽しい時間を過ごした後だったのに、公樹さんとの不毛なやり取り……。
美津穂さんは心底、疲れたと感じ「もう、終わりにしたい」と別れを切り出しました。
しかし公樹さんは「絶対、別れない」と受け入れず、
その日から何通も、長文のメッセージがラインで送られてくるように。
公樹さんに何を言っても話にならないと思った美津穂さんは、
スマホのラインを含め全ての連絡手段を拒否設定にして、関係を強制的に遮断しました。
別れた彼がとった行動
それから数日間は、何事もなく平和な日々を過ごしていましたが、
1週間を過ぎた頃に突然、無言電話がかかってくるようになりました。
それに加えて、夜中にインターフォンを押して逃げられたり、自宅のドアを蹴られたりするように・・・。
また、出勤時に駅から出ると必ず公樹さんが、分かりやすい場所に立っていて、
じっとりとした視線で見つめているなど、明らかな嫌がらせが始まりました。
更に、自宅の自転車のかごに、コンビニのおにぎりやパンが開封して捨てられるように……。
それは美津穂さんが公樹さんに教えた「コンビニの好きな食べ物」ばかりでした。
警察にも相談しましたが、証拠がないことや美津穂さん自身に被害がないことから、
思うように動いてはくれませんでした。
しかし、嫌がらせは毎日続き、次第に美津穂さんは外出する事が怖くなり、仕事にも行けない状態に……。
このまま何もしなければ、嫌がらせを止めさせることは出来ないと考え
嫌がらせの犯人が公樹さんだという証拠を集めるため、探偵に嫌がらせの証拠収集調査を依頼しました。
調査の結果、すべての嫌がらせは公樹さんが行っていたという証拠の写真を撮ることができました。
それは想像を遥かに超えた異常行動で、夜中に何時間も美津穂さんの家を見ていたり、
無言電話は、わざわざ美津穂さんの近くへ行って、姿を見ながらかけていた事も判明しました。
美津穂さんはその証拠を持って警察に行き、やっと対処をしてもらえることになりました。
嫌がらせや悪戯は証拠がないと警察はすぐには動いてくれません。
心が疲弊してしまう前に、早めに証拠を取って、しかるべき対処をする事が、
解決への近道だと言えますね。
(2019.01.21)