離婚して会っていない、音信不通の元夫の居場所を知りたくなったなら? その他のトラブル
  • facebook
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINE

真実を告げても……

裕太さんは帆乃佳さんと妹の沙由美さんを分け隔てなく接し、
思春期のときには一緒に悩み、時に本気で叱り、
帆乃佳さんもそんな裕太さんの事を、本当のお父さんではないと感じたことは一度もありませんでした。

しかし、帆乃佳さんが20歳になったとき、千佳さんから裕太さんが実の父親ではないと聞かされたのです。
千佳さんは「お母さんの口からきちんと伝えたかった」と、
帆乃佳さんが1歳の時に実の父親と離婚をして、裕太さんと再婚をしたことを告げました。

帆乃佳さんはそれを聞いて、混乱はしましたが
「でも、私のお父さんは今のお父さんだから。それは変わらない」と、
今まで通りの生活を送り、実の父親について一切触れてくることはありませんでした。
そして帆乃佳さんの結婚式では、当然のように裕太さんとバージンロードを歩いたのでした。

離婚をして以来、千佳さんは元夫とは連絡を取っていませんでした。
離婚時に千佳さんは帆乃佳さんを連れて行方をくらますように前夫から離れたこともあり、
一切の消息をお互い知らずに過ごしてきたのです。
そして、真実を知っても普段どおり何も変わらない帆乃佳さんを見て、
千佳さんは「このままでいい」と思っていました。

状況が変わり、考えも変わり

しかし、千佳さんに癌が見つかります。
突然、医者から余命3年と宣告され、
千佳さんは今までの人生とこれからの人生についてを考えるようになりました。
そして、帆乃佳さんがいつか「実の父親」のことを知りたくなったら、
きちんと伝えなければいけないと思いはじめました。
しかし、元夫の居場所はもちろん、連絡先も知らない千佳さんには探しようがありません。
自分が死ぬまでに出来ることはきちんとしておこうと、
裕太さんに許可を得て、探偵に元夫の人探しを依頼することにしたのです。

元夫とその家族の名前、戸籍の大まかな場所や当時住んでいた実家は知っていましたが、
それ以外は全く分からない状態での人探しは、かなり困難を強いられました。
しかし、地道に聞き込みをした結果、元夫の居場所を特定することが出来たのです。
元夫は現在再婚して、新しい妻と2人で暮らしていました。
娘が結婚したことを伝えると、「それはよかった」と静かに言っていたそうです。

そして、千佳さん宛に一通の手紙を渡されました。
中には「帆乃佳が俺を必要だと思ったときに、渡してほしい」と
住所と連絡先が書いてありました。
元夫は、千佳さんと離婚後、子どもには恵まれず2度の離婚を経験。
帆乃佳さんのことをいつも思っていたそうです。

千佳さんはその手紙と調査結果は
「今は、まだ私が持っています。ときがきたら帆乃佳に渡そうと思います。」
と言っていました。
千佳さんの「やり残していた気がかりなこと」が解決できて、本当に良かったですね。

(2019.04.25)

  • facebook
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINE
人気記事ランキング
注目タグ
Twitter
Facebook