本当はもう一人、兄弟がいた
それは父がひた隠しにしていた、母の1枚の写真でした。
その写真には生まれたばかりの赤ん坊と白戸さんのお母さんが映っていました。
母は父と結婚する前に、父親の分からない子どもを一人産んでいたのです。
白戸さんはあまりの事実にただただ驚くしかありませんでしたが、
少し落ち着くと、まだ見ぬ兄弟のことで頭がいっぱいになりました。
どんな人なのだろう。今どこで、何をしているのだろう。
白戸さんはまだ見ぬ兄弟とどうしても会ってみたくなり、
手掛かりになるものを求め親戚に聞いて回りました。
しかし得られた情報は「生まれてすぐに養子に出された」ということだけ。
一枚の古ぼけた写真以外の手がかりはありませんでした。
どこかで生きているかもしれない兄弟について、
どうしても諦めきれない白戸さんは、探偵に人探し調査を相談。
手がかりはほとんど無し。夫からは反対されて・・・
しかし、母が子供を産んでいることを知っている親戚も高齢すぎるために、
情報がほとんどないことや、白戸さんの夫からの反対もあり、
相談をしてみたものの、実際に調査に踏み切っていいものかどうか悩んでいました。
何度も何度も探偵事務所の相談員に事情を話し相談。
調査の方法や期間を納得するまで話したといいます。
そして、気になった時にまたいつでも相談ができるならと、
白戸さんはまずは家のことを整え、父の一周忌が過ぎたら調査をすることに決めたそうです。
母が亡くなって20年後にわかった事実。
もう一人の兄弟と一度でいいから会ってみたいという気持ちは、
白戸さんの、真実を知りたいという思いの裏返しなのかもしれませんね。
(2017.12.20)