不倫で心を入れ替えた夫

由紀子さんは不倫相手の弁護士からの通告を受け、
尚彦さんに事実関係を確認しました。
尚彦さんは、
「付き合いだしてから嘘をついていたって言い出せなくて、
どんどん後には引けなくなるし、もうどうしたらいいのかわからなかった」
と、すべてを認めてひたすら謝っていました。
「謝って済む話ではない」と、由紀子さんは突き放しましたが、
尚彦さんの懸命な謝罪と「心を入れ替える」と言う約束を信じることに。
そして相手の女性にも謝罪をし、示談金として慰謝料を支払いました。

それからの尚彦さんは心を入れ替えたようで、まるで別人のようにマメになりました。
その数年後には2人の子どもに恵まれ、良い夫、良い父親に。
相変わらず出張は多くありましたが、毎日の電話やラインなどの連絡はマメにしてきていました。
由紀子さんは、尚彦さんの不倫をしていた過去を忘れたことはありませんでしたが、
再構築していくと決めた以上なるべく忘れたふりをして、明るく努めて生活していました。

隠してあったアプリは……

ある日、子どもと尚彦さんのスマホで動画を見ていたとき、
見たことのないアプリの通知が来たことに気が付きました。
由紀子さんは尚彦さんにスマホを返す前に中身をチェック。
すると、仕事と書いてあるフォルダの2ページ目に
パスワードのかかっているメッセージアプリを見つけました。
さらに、そこには出会い系、婚活サイトもあったのです。
由紀子さんは、そのサイトを全て確認。
メッセージアプリのパスワードも簡単に突破して中身をチェックすることができました。
尚彦さんは、複数のサイトでまた独身と偽り女性とやり取りをしていたのです。
さらに、パスワードのかかったメッセージアプリでは、
ある女性と出張の日の夜に日帰り温泉の個室を予約したというやりとりまでしていたのです。
由紀子さんはそのやりとりとアプリのプロフィールを写真に撮り、
何食わぬ顔で尚彦さんにスマホを戻したと言います。

由紀子さんは、悲しみや怒りよりも（またか）という、落胆の気持ちでいっぱいになりました。
そして、（もう、この人の浮気性は治らない）と、離婚を心に決めました。
由紀子さんは自分なりに離婚のための情報を収集。
探偵に浮気調査を依頼して、裁判で使える証拠を取ってもらうべく、
尚彦さんが出張の夜に予約をしている日帰り温泉を調査してもらうことにしました。

調査の結果、尚彦さんは30代の女性と恋人同士のように過ごし、
温泉に入った後個室で3時間ほど滞在し、
その後も車の中で女性としばらく過ごす姿が捉えられていました。
由紀子さんは、その日も尚彦さんから「今、仕事終った。これから帰る」と電話があって、
何食わぬ顔して帰宅したと言っていました。

由紀子さんは、その報告書を持って弁護士に離婚の相談をするそうです。
慰謝料や養育費の取り決めを有利に進め、
相手にも連絡をして、話をすると言っていました。

今度はどんなに尚彦さんが泣きついてきても、許すことはしないそうです。
尚彦さんは、由紀子さんにも不倫相手にも懲りずに最低の嘘をつき、
反省するどころが同じことを繰り返し、みんなにいい顔をしていました。
離婚届を突き付けられた時、
妻と子どもを裏切り続けてきたことを今度は本気で反省することが出来るのでしょうか。
許してもらえなくとも、これまでの責任はきっちり果たしてほしいですね。

(2018.09.18)