早速お付き合いをしたがる彼女
祥子さんから行ってみたいレストランがあると言われ、
そのお店に食事に行く事になりました。
雅紀さんは、祥子さんのことを恋愛対象として多少意識はしていましたが、
まだ会って間もないので、ゆっくりと距離を縮めて行きたいと思っていました。
しかし、祥子さんは違ったのです……。
デートの帰り道、祥子さんは雅紀さんに
「今日は、どういうつもりで私とデートをしたの?」と聞いてきました。
雅紀さんが、「え~と、別に……」と言葉に詰まっていると、
「私は、初めて話した時から、雅紀さんのことをいいなと思ってた。」
と言い、さらには
「もし、私のことが嫌じゃないなら、付き合いながら距離を縮めていきたいと思ってる」
と告白してきたのです。
雅紀さんは
「お互いのことをまだ良く知らないし……、まずは、友達として……」と伝えましたが、
「付き合ってみないと分からないこともある」と、
半ば強引に押し切られる形で祥子さんと付き合うことになりました。
交際の次は……結婚
そして交際から3か月。
仕事が忙しい雅紀さんでしたので、頻繁にはデートが出来ませんでしたが、
夜の少しの時間でも雅紀さんの家に来て、
食事や家事をしてくれる祥子さんの事を、
雅紀さんはだんだん大切に思い始めていました。
いつものように、雅紀さんの仕事の帰りを家で祥子さんが待っていた時の事、
突然、祥子さんが
「一緒にいる時間をもっと作るには、一緒に住むのが一番いいと思う。
この年で同棲はちょっとなしだと思うから、結婚しない?」と言い始めたのです。
雅紀さんは
「出会ってまだ間もないし、付き合って3か月で結婚って……」と言葉を濁しましたが、
祥子さんは「どうせこれからも一緒にいるなら、同じことだよね」と、結婚をする前提で話を進め、
両親に会う日取りまで勝手に決め始めました。
雅紀さんは、祥子さんとの未来をだんだんと視野に入れてはいましたが、
それはまだ、もう少し先の話だと思っていたので、
急に結婚の話をされて驚き、戸惑いました。
しかし祥子さんは、雅紀さんに反論の余地を与えずに話を進め、
とうとう次の休みの日に、雅紀さんの両親と会う予定を立ててしまいました。
雅紀さんは、最初は(これでいいのか)と悩んでいましたが、
祥子さんに毎日結婚の話をされているうちに、
(確かに、このまま一緒にいるならもう結婚しても同じなのかも)
そう思うようになっていました。
反対する両親の出した条件は?
そして雅紀さんは母親に電話をし、両親に彼女を紹介したい旨を伝えました。
「この前、お正月に帰って来たとき彼女はいないって言ってたのに!急にどうしたの?」
と驚く母に雅紀さんがこれまでの経緯を説明すると、
母は「そんなに結婚をせかしてくるなんておかしい。
何かあるんじゃないか」と、彼女を怪しみ始めました。
そして、その数日後、雅紀さんの母から
「お父さんと話したけど、やっぱりおかしいと思う。
彼女のことをきちんと調べて、問題が無ければ会う」との連絡が……。
雅紀さんは自分の恋人を調査することに抵抗がありましたが、
それで両親が納得するならと、探偵に結婚前調査を依頼することに。
調査の結果、祥子さんの経歴や家族関係に特に問題はありませんでした。
前の彼氏とも3年前に別れていて、
雅紀さん以外に交際している男性もいないようでした。
ただ、祥子さんは30歳を過ぎたころから婚活を開始。
それがなかなかうまくいかずに最近まで気持ちを病んで婚活をお休みしていたようでした。
そして、婚活の再始動として行ったのが、雅紀さんと出会った合コンだったそうです。
そして祥子さんは周りに「あの人ならいけるかも」と言っていたそうです。
この結果を見て、雅紀さんの両親は
「この子はただ、結婚をしたいだけで相手は誰でもよかったんじゃない」
と、結婚について難色を示しました。
しかし、雅紀さんはこの結果を見て
「そうかもしれないけれど、この結果を見て決めたよ。僕が彼女と結婚したいと思っている」
と両親を説得。
雅紀さんはこの結果を見て、なぜか彼女と結婚したいと思ったとのことでした。
きっかけは何であれ、2人は夫婦になることを決めました。
来年、結婚式を挙げるそうです。
結婚をスタート地点にして、幸せな家庭を築いていってほしいですね。
(2018.10.10)