精神的にも追い詰められ……
模試の結果を見た母・美月さんから、
「こんな結果じゃ、お父様に報告出来ません!」と、強く言われ、
「もし、合格できなかったら、あなたは一体どうするつもり?」と更に詰められ、
裕子さんは「次の模試では結果を出せるように頑張ります」と、そう答えるのが精一杯でした。
いくら勉強をしても思うように成績が伸びず、
ストレスとプレッシャーで「寝たらそれだけ勉強が遅れる」と常に脅迫観念に駆られ、
裕子さんは夜も眠れなくなっていました。
裕子さんは「次、第一志望の大学に落ちたら、家族の中で自分だけが落ちこぼれ…、
もう私の居場所はどこにもない」と感じていたのです。
そして、追い詰められた裕子さんは、
次の模試の結果発表の日、家には帰らずそのまま家出をすることに……。
娘の家出に気が付いた両親は……
裕子さんの帰りが遅いことに気が付いた美月さんは、裕子さんの携帯電話に連絡を入れました。
しかし、裕子さんが電話に出ることはなく夫に相談すると、
「一晩待つべきだ」と言われ待ってみましたが、朝になっても裕子さんは帰ってきませんでした。
美月さんは、警察に届けた方がいいのではないかと夫に提案しましたが、
「そんなことをしたら、世間に知られて恥ずかしいじゃないか。
甘えているだけなんだから、探さなくていい!」と、一喝されてしまいました。
着の身着のままで、現金は3000円くらいしか持っていないはず……
美月さんは、そんなに遠くへは行けないと考え、予備校周辺のファミレスやファーストフード、
漫画喫茶など思いつく限りを探しましたが、美月さんは裕子さんを見つける事が出来ませんでした。
長男も夫から「探しに行くな」と言われていましたが、こっそり探しに来てくれました。
しかし、2人では行き詰まりどうすることも出来ず、
長男の提案で、探偵に人探し調査を依頼することに……。
調査の結果、裕子さんは県内にある広い公園で放心状態でいるところを発見されました。
裕子さんは「私がいることで、家族に迷惑がかかってしまう」と泣いていたそうです。
今回の件で美月さんは、裕子さんが心底苦しんでいた事を知りました。
そして、母親としてもっと理解してあげるべきだったと、強く反省したそうです。
長男からも「頑張っている裕子になんで、そんな言い方したの?」と怒られたそうです。
美月さんは、「もう、第一志望にこだわらなくてもいいのよ」と裕子さんに伝え、
これからは頑張っている裕子さんを応援し、夫を説得したいと言っていました。
家柄を気にするあまり、他人からどう見られているかを重要視することは、
決して悪いことではありません。
しかし度が過ぎてしまうと、大切な家族の苦しみに気付いてあげられない事もあるようです。
子どもが親の為に頑張っているならば、親はそれをちゃんと認めてあげないと、
親子関係に歪みが生じてしまうのではないでしょうか・・・。
これまでの、美月さんの頑張りが報われる日が来るといいですね。
(2018.12.19)