結婚前は相手の両親と良い関係を築けていても、いざ同居となると話は別… … 。
どちらかがずっと気を使い続けたり、ささいなことで衝突したりするのはよく聞く話ですよね。
最悪の事態にも発展しかねない同居のストレスは、どのように解決していくのがベストなのでしょうか?
マスオさん状態の夫の居場所はどこに……離婚の理由は「我慢の限界」or「浮気」?
夫:敏彦(38歳)
妻:優菜(39歳)
子供:2人(小学6年生・中学1年生)
結婚:14年目
今回、お話をしてくれたのは妻の優菜さん。
授かり婚がきっかけで優菜さんの実家で同居する形の結婚生活をスタートした2人。実家の事情や自分たちの生活の中で起きてしまった「生活のズレ」は、夫婦を思わぬ展開に導いてしまいます。マスオさん状態に限界がきた夫とその結末とは……。
私たち夫婦は学生時代から付き合っていて結婚14年目。当時結婚はまだ先だと思ってお互い生活をしていたので、夫の敏彦は夢を追いかけてフリーターをしていました。
子どもを授かったと分かったとき夫は躊躇なく「結婚しよう」とプロポーズをしてくれて、私も(この人とならやっていける)と確信。すぐに結婚を決めました。
私たちが付き合っていることはお互いの親も公認だったので、授かり婚の反対はされませんでしたが、お互い貯金がなく仕事も不安定なことを理由に私の家での「同居」が結婚の条件になりました。
私の母はシングルマザーで、実家の敷地内の旧家を改造して作った「居酒屋」を叔父と切り盛りしていました。
私たち夫婦が住むにあたり居酒屋の2階を改築する話も出ていましたが、夫が「そこまでしなくても実家でいいんじゃない?俺も早く就職して家族で生活できるようにするから」と言ってくれたので、私も(家具などを揃えるお金が浮く分、貯金ができるしそのほうがいいかも)と、母の住む実家に2世帯で住むことを決めて新生活をスタートさせました。
家を出るタイミングを逃した結果
夫は就職活動を頑張り、同居を始めて半年が過ぎた頃に正社員として就職が決まりました。今思えば、その時にアパートでも借りておくべきでしたが「どうせ里帰り出産するんだから」と同居のまま出産、2人目が年子で生まれたこともあり実家を出るタイミングを完全に失っていました。
実際私は母の元にいたほうが色々と手伝ってもらえるので楽でしたし、夫も母とは仲が良くいつも「お母さんには感謝だね」と言ってくれていたので(このままでもいいかも)とすら思っていました。
2人目が生まれてしばらくして、母が転倒して足を痛めてしまい居酒屋での立ち仕事が難しくなりました。
私は「バイトが見つかるまでの手伝い程度」という約束で母に子どもを預けて働き始めました。しかし(久しぶりの仕事、楽しい!)と感じた私は、時間が許すまま手伝うようになり、いつの間にか「手伝い程度」のはずが「フルタイム」で働くように……。
夫には「いつまで手伝うの?」と聞かれていましたが、私は「ずっと家族でやってきたお店だし、今は大変なときだから」と、何かと言い訳をつけてのらりくらりと交わしていました。実際あの頃はお店が終わった後にお酒を飲んで、酔っ払って帰ることも多かったと思います。私は(家の仕事を手伝っているんだしそれぐらいは当たり前)くらいの気持ちでいました。
夫は仕事から帰ると冷蔵庫にある作り置きの夕食を温めて食べた後、リビングで母と一緒にいる子どもたちと短い時間を過ごし、すぐに寝室に入ってしまっているようでした。
母からは「敏彦さんに声をかけても疲れているから先に寝ますと部屋に入っていく」と聞いていましたが私は(そうなんだ)程度にしか考えていませんでした。
当時を振り返るとこの生活スタイルが夫にとってストレスになっていたことを私も母も知る由もありませんでした。でも、夫は自分以外の家族が団結していると感じ、家に居場所がなくなっていたのです。
(2018.08.13)