何も知らない夫を泳がせて……
なるべく怪しまれないように、いつも通りの振る舞いを心がけていたはずが、
逆にぎこちなくなくなってしまう真里さんの異変に、
勝也さんは全く気が付いていませんでした。
いつものように最寄りの駅に着いたと連絡があり、
帰宅してからもいつもと変わらぬ勝也さんを見て、
真里さんは(彼女が私に電話をかけてきたことを勝也さんは知らないんだ)と確信しました。
勝也さんが寝た後に、こっそりと寝室からスマホを持ち出し、
以前、密かにパスワードを盗み見ていたので、簡単にスマホのロックは解除できました。
「人の携帯を見るような女は絶対に嫌だ」と
以前勝也さんが言っていた言葉が頭に浮かびましたが、
確かめたい気持ちを抑えきれず、勝也さんのスマホの中身をチェック。
そこには複数の女性とラインでやり取りしている内容が・・・。
しかも結婚前から関係を持っている女性が2人もいて、
そのうちの一人と、来週の木曜に有給を取ってテーマパークへ行く約束をしていました。
真里さんは、今日電話してきたのが誰かということよりも、
結婚前からずっと勝也さんが複数の女性と浮気をしてきたことに大きなショックを受けました。
勝也さんとは付き合いが長い分、ドキドキや新鮮さはありませんでしたが、
自他ともに認める「仲の良い2人」で、浮気の心配など全くないと思っていたのです。
知ってしまった以上は……
その日以来、真里さんは、勝也さんが不潔に思えて仕方がありませんでした。
自分は一途に勝也さんだけを思ってきた。
その気持ちを裏切った勝也さんの事をどうしても許すことができず、
(こんな人だったと知った以上、もう夫婦でいるのは無理だ)と思うように。
真里さんは離婚を視野に入れて、
新婚旅行に行こうと2人で貯めていたお金を使って探偵に浮気調査を依頼することにしました。
調査は、ラインで相手に有給を取ると言っていた日を狙って実行。
その日の朝、勝也さんはいつものように仕事に行く支度をし、いつもの出勤時間に家を出て、
出勤ルートとは違う電車を乗り継ぎ、ある地下鉄の駅で女性と待ち合わせ。
そのまま、2人は電車で移動し、ラインどおりのテーマパークで1日を過ごしました。
そして、帰りは彼女の家まで送っていき、1時間ほど彼女の家に滞在……。
1日中手をつなぎ、仲良く過ごすその様子は決して「友達」とは言い訳できない証拠でした。
真里さんは報告書を見て「離婚します」と言っていました。
離婚をどう進めていくかは、親と相談したいとも。
そして「大切な20代と30代をこんな浮気男に捧げてしまった」と、冷静に言っていたそうです。
長年一緒にいた大切な彼女と結婚をしたにもかかわらず、
たった半年で結婚生活にピリオドを打つことになった勝也さん。
真里さんに知られていないのをいいことに、今まで好き勝手してきたことを、
しっかりと後悔してほしいですね。
(2018.11.09)