平日会えない彼女が丁度いい?
さくらさんの仕事はシフト制で、
朝、海に行く為に遅番で仕事をする事が多く、
仕事の日はさくらさんの都合で会えませんでした。
また、施術中は連絡を頻繁にできない、平日夜の帰りも遅い、
そんなさくらさんの仕事環境は、勇司さんにとって大変都合の良いものでした。
そして、勇司さんは朝や休日前夜から家族には海へ行くと言いさくらさんの元へ通っていました。
2人の交際が1年を過ぎた頃から、
さくらさんのご両親が遊びに来れば、勇司さんは何食わぬ顔で彼氏として一緒にご飯を食べ、
さくらさんの友人とも積極的に会っていました。
周りからは「いつ結婚するの?」と言われ、
それに対して勇司さんは、否定する事もなく交際を続けていました。
平日は家族とゆっくりと過ごし、今までサーフィンへ出かけていた時間を使いさくらさんと会う……
勇司さんは、どちらとも決める事が出来ず、今となっては後に引けなくなり、
渚さんにも、さくらさんにも嘘をつきながら生活を続けていました。
妻に彼女の存在を知られて
しかし、事態は急変。
渚さんが勇司さんの洗濯物のポケットから、水族館のチケットを発見したのです。
(あれ?この日は確か、茨城へサーフィンに行くと言っていたのに……。江ノ島?)
渚さんはその日の夜「もう、茨城は結構寒いの?」と、勇司さんにかまをかけて質問してみました。
すると、勇司さんは「風は少し寒いけど、海の中に居れば寒くなかったよ」と、
平然と嘘をついたのです。
(これはおかしい・・・)
渚さんはその日から、今まで疑うことは無かった勇司さんの行動を逐一チェックするように。
そして、不倫に気が付きました。
決定的な証拠をとり、相手の女性に突き付けて勇司さんと別れさせたい……。
渚さんは、その女性が二度と勇司さんと不倫出来ないようにしてやりたいと、
探偵に浮気調査を依頼しました。
調査の結果、2人が手をつないで歩いているところや、一緒に家に入っていく所など、
すぐに不貞の証拠となる写真を撮ることが出来ました。
しかし、渚さんがその証拠をもって、相手の女性(さくらさん)に連絡をしたところ、
なんと驚きの展開が待っていたのです。
さくらさんは、「勇司さんが既婚者だったとは知らなかった」と言うのです。
渚さんは、最初は「嘘をついている」と思っていましたが、
追求した勇司さんから「既婚者とは言っていなかった」と聞かされたのです。
挙句の果てには、さくらさんの両親から「彼氏だと言って親にまで会っていた! 騙されていた!」と、
怒りの連絡が入ってきたのです。
さくらさんの両親は「慰謝料を払ってほしいのはこっちの方だ」と怒り心頭。
法廷で徹底的に争うと申し入れてきました。
勇司さんは、意気消沈して何を聞いても謝るばかり。
渚さんは、想像だにしなかった展開に正直戸惑いましたが、
まずは、勇司さんが相手にした事に対して、
きちんとけじめをつけないと、と言っていました。
家族も大切、不倫相手も大切、と両方うまくやっていたつもりかもしれませんが、
そんな、調子のいい嘘が長く続くわけがありません。
勇司さんは事の重大さを受け止めて、
渚さんとさくらさん二人に、きちんと「謝罪」と「けじめ」をつけて欲しいですね。
(2018.12.18)