何もしない夫でも……
心愛さんは、家事も育児もしない真浩さんの事でストレスが溜まっていました。
しかし、心愛さんが小言を言う頻度が減ってからは、真浩さんが優しくなったような気もしていました。
時には小言も言ってしまいますが、若いながらに仕事を一生懸命がんばる真浩さんを尊敬し、
自分は今、子どもが小さくて働く事が出来ないので感謝もしていました。
ある日、心愛さんの祖母が突然亡くなりました。
心愛さんの母はシングルマザーだったので、心愛さんは、ほぼ祖母に育てられたようなものでした。
祖母が亡くなったショックが一番でしたが、祖母の家の片付けや母の心のケアも含め、
心愛さんは子どもを連れて1週間実家へ帰ることに。
真浩さんは、車で送りながら、「仕事があるから手伝えないけど、帰りは迎えに来るから」と、
迎えに来ることを約束してくれました。
1週間ぶりに会った夫に変化が
1週間後、約束通りに心愛さんを迎えに来てくれた真浩さんでしたが、
その様子は、1週間前とはまるで違った印象でした。
心愛さんが「何かあった?」と聞くと、真浩さんは運転しながら、
「離婚したいと思っている」と、突然離婚を切り出してきました。
理由を聞くと「性格の不一致」と「小言を言われ続けることに疲れた」
そして「この1週間で1人でも大丈夫だと分かった」と……。
心愛さんは、祖母の他界で弱り切っている心に、追い打ちをかけるように離婚を突き付けられ、
ひどく落ち込みました。
更に翌日、子どもが発熱、
心愛さんが病院に向かう為、カーナビの履歴を調べていると、
そこには、この1週間で行ったと思われる「お台場」「東京タワー」などのデートスポットの検索履歴が
ずらりと残っていたのです。
(離婚を言い出したのは、性格の不一致が理由ではなくて、浮気していた?)と、
心愛さんはすぐに察知しました。
小さい子どもを抱えて真浩さんの行動をチェックし続ける事は出来ないので、
スマホから証拠を掴もうとしましたが、家でスマホを手放さない真浩さんから
浮気の決定的な証拠を探し出すことは、ほぼ不可能でした。
心愛さんは相手から慰謝料を取り、別れさせる決定的な証拠を取りたいと思い、
どうしたらいいかをインターネットで調べ、探偵に浮気調査を依頼することを決意。
調査の結果、真浩さんは同年代の女性と仕事帰りに会っていることが分かりました。
直接彼女の部屋に行くこともあり、その姿は恋人同然でした。
心愛さんはその結果を受けて、彼女に慰謝料の支払いを要求し、離婚不受理届を提出しました。
そして真浩さんには「離婚はしない」と、伝えたそうです。
まずは真浩さんの不倫を辞めさせることが先決、
これからのことは、子どもがまだ小さいので考えられないと言っていました。
不倫を隠して離婚を申し出てきた真浩さんのやり方は、卑怯極まりないですよね。
心愛さんが「離婚はしない」と言っている以上、不倫をした側からの離婚請求はできません。
父親として、夫としての自覚をしっかり持って、心を入れ替えて欲しいですね。
(2018.12.20)