知らぬ間に不倫相手となっていた？

結婚して，バツイチだったことが発覚しただけでもかなりの衝撃なのに
「交際中に離婚していた」という事実まで聞かされた蘭さんは、
「じゃあ、私は不倫相手だったということ？」と、悠馬さんを責めました。
しかし悠馬さんは
「不倫じゃないから、離婚して蘭と結婚してるんだろ？お前は俺が既婚者と知る必要はなかったんだよ」
と、意味不明の言い訳と価値観で蘭さんを丸め込もうとしてきました。
そして「40万円も、子どもが大学を卒業するまでだし問題ないだろう。もう、この話やめないか」と
一方的に話を終わらせて、家を出て行ってしまいました。

蘭さんはその日から、前の奥さんのことが頭から離れなくなりました。
（なんて言って離婚したんだろう）
（もしかしたら、まだ定期的に会っているの？）
（子どもは本当に一人なんだろうか？）、
疑問と不安にどんどん支配された蘭さんは、ある日悠馬さんがシャワーを浴びている隙に
スマートフォンの中身を見ることにしたのです。

そこには前妻との「振り込みました」「ありがとうございます」程度のやり取りしか残されておらず、
それ以外を消している様子はありませんでした。
しかし、問題は別のところにあったのです。なんと悠馬さんは副社長の女性と不倫をしていたのです。
その女性とは
「仕事で遅くなっていると言ってあるから大丈夫」と、外泊時に泊りに行っている内容や、
「今の奥さん大丈夫？」など、前から不倫を続けていることが見て取れる内容が記されていました。

急いで写メを取ろうと思いましたが、悠馬さんの気配を感じた蘭さんは、
そのままスマートフォンを元の位置に戻し、キッチンへ移動。
キッチンを片づけているふりをしながら、今見たことを頭で何度も思い出していました。

何も知らずに騙されていたと気が付き

蘭さんは、自分がずっと騙されていたことを確信。
悠馬さんと副社長の不倫を隠すために自分が使われたのではないかと思うようになりました。
（親の反対を押し切って大学院の夢までもあきらめたのに……）
どうしたらいいか悩んだ結果、蘭さんが思い切って両親に相談すると
「離婚をするためなら協力する」と言われました。
蘭さんは離婚をすることを前提に両親と探偵会社へ行き、浮気調査を依頼することにしました。
そして、それに伴い、過去の結婚歴に関しても聞き込みしてもらうことに。

調査の結果、副社長との不倫の証拠はすぐにとることができました。
さらに副社長とは2年以上前からW不倫の関係が続いていたようで、
前の奥さんともそれが原因で不仲になったようでした。

蘭さんは両親とともにその報告書を弁護士の元へ持って行き、
不倫と貞操権侵害の両方で悠馬さんに慰謝料請求したいと言っていました。
今となっては大学を休学していたことは吉となり、離婚後蘭さんは関西の大学院に戻り、
夢である海外研修に再度チャレンジするそうです。

既婚を隠して交際していただけでもかなり悪質ですが、
交際期間中に離婚し、それを隠して結婚……
さらには前妻のときから不倫を続けていたとなれば、蘭さんには一切の非はないでしょう。
悠馬さんにはしっかりと制裁を受けてほしいですね。

(2019.06.03)