そっけない態度は続き……
一華さんの家族はシングルマザーで育ててくれた母のみ、
匠さんは家族とはほぼ絶縁状態だったため、親戚付き合いもありませんでした。
夫婦について、家族についてを考えることが多くなった一華さんは、
これからは二人、もっと家族らしい生活をしたいと考えて、
なるべく匠さんと一緒にいられる時間を作ろうと努力しました。
しかし、匠さんは「別に俺たちは俺たちらしく、でいいんじゃない?」と、
生活を変えることはなく、一華さんは一人家で匠さんを待っている日が増えました。
一華さんと匠さんが久しぶりに出かける約束をした休日の朝、
一華さんが起きると匠さんの姿がありませんでした。
コンビニにでも行ったのかな?と一華さんは出かける支度をしながら匠さんを待つことに……。
しかし、匠さんはお昼になっても帰ってきませんでした。
過去にも何度か、ふらりと出かけることがあったので、最初はあまり気にしていなかったのですが、
朝送ったメッセージが未読のままで、さすがに(これはちょっとおかしい)と思い、
直接匠さんに電話をかけてみました。
すると、昨日まで通じていた電話が利用できなくなっていたのです。
ふと嫌な予感がした一華さんが、すぐに部屋に戻って確認すると、
匠さんの大切な荷物や、ノートパソコン一式が無くなっていました。
突然の失踪に最悪の事態を考える……
一華さんはすぐに状況を把握することができず、1日匠さんを待つことにしました。
次の日の朝、匠さんのフリーアドレスから一華さん宛に連絡があり、
「疲れました。探さないでください。カードはそのまま使えるようにしておきます。
家のローンも払うのでお金の心配はいりません」
と連絡が来たのです。
家出の原因に心当たりが全くなかった一華さんは、すぐに匠さんの安否を心配しました。
そして(もし、なにか良くないことを考えていたら……)と、居ても立っても居られなくなり、
すぐに警察に行方不明者届を出しに行きました。
しかし警察は一華さんが思うスピードでは動いてくれず、一華さんは探偵に人探し調査を依頼することに。
すぐに探偵事務所へ行き、探索が開始されました。
間もなく匠さんを発見し、生活状況も確認できました。
匠さんは不倫相手と思われる女性の家で生活し、
そこから会社へ通勤していたのです。
そこには疲れた匠さんの様子は一切なく、全て自分勝手な行動をするための嘘だったと分かりました。
一華さんは報告書を見て、「信じられない」と、驚いていました。
離婚はしたくないそうですが、今後のことはどうしたらいいか、まだ考えられないそうです。
一華さんには、これからの事をしっかり決断して、証拠を武器に「有利」に進めて欲しいですね。
(2019.08.26)