時間をかけてお互いを知り合う

ゆっくりと時間をかけてメッセージを交換し合い、
お互いの人となりをきちんと理解できるまで、会うことはしないと言う浩美さんに、
光義さんは「ゆっくりお互いのことを知り合えたらいいですね」と優しく回答。
宣言通り、時間をかけてお互いのことを知っていきました。
そしてやり取りから4か月たったころ、2人は食事に行くことに。
イギリスに留学経験があるという光義さんは、浩美さんをきちんと女性として扱い
レディファーストで接してくれました。

その後もまめに連絡をくれる光義さんに浩美さんはいつしか心を開くようになり、
何度目かの食事で2人は交際することになりました。
光義さんは浩美さんを良く褒め、「浩美さんのような女性が奥さんだったら」
「浩美さんのように目の大きな子どもが欲しい」など、
将来を考えてくれているような話をよくしてくれました。

そして、次の長期休暇で両親にあいさつに行くことを約束。
結婚を前提にしたような話はとんとん拍子に進んで行きました。
決定的なプロポーズはありませんでしたが、
浩美さんは自分のことを、「自立したさっぱりとした女性」だとほめてくれる光義さんに嫌われないよう、
それも「大人の付き合い方なんだ」と、不平不満を言う事なく自分を納得させていました。

未来の夫のためならと……

ある日のデート中、光義さんが財布を買い物中に落としてしまったようでした。
行った場所に戻り探しましたが、財布は見つからず、
光義さんは「大変なことになった」と慌てふためいた様子でこう言ってきました。
「明日の朝、取引先に300万円もっていかなければならない。
でも、財布の中に銀行のカードが入ってしまっているんだ。
防犯のために、通帳や印鑑は実家においてあるから、
今から取りに帰ったのでは間に合わない……もうおわった」
と頭をかかえてうずくまってしまいました。

浩美さんは悩みましたが、将来一緒になる人のためにならと思い
「明日すぐ必要なら、お金、貸そうか？」と声を掛けました。
光義さんは、「そんな大金、借りるわけにはいかない」
と悩んでいる様子でしたが、
「すぐに返すから」と浩美さんからその場でお金を受け取り、
その日は帰っていきました。

その後、光義さんは無事に仕事を乗り切り、財布も見つかったようでした。
しばらく連絡を取っていましたが、最後に会ってから10日ほどで光義さんは音信不通に……。

結婚詐欺！　これからどうする？

デートはいつも浩美さんの家か外だったため、光義さんの家は分からず、
光義さんと出会った結婚相談サイトの登録も消えていまいた。
そして浩美さんは「結婚詐欺だった」と気が付きました。
すぐに警察に届け出ましたが、借用書もないため、思うようには動いてくれず……。

浩美さんは、どうにか光義さんを見つけ出したいと、
探偵に人探し調査を依頼。年齢や、子どものころに住んでいた場所、
よく行く店の情報など、浩美さんの知る、出来る限りの情報を駆使して調査することに。
簡単な調査ではありませんでしたが、
浩美さんが光義さんとデートで何度か行ったレストランで、それらしき男性を発見し本人と確認。
身元を突き止めることが出来ました。

男性は、浩美さんからお金を受け取ったことを「知らない」と言っているそうです。
これから、再度警察に報告し、弁護士を通じて、裁判をすると言っていました。

お金を取り戻せるかどうかより、逃げられたことに納得できないと言っていた浩美さん。
男性の身元が分かった今、浩美さんの気が済むような結果になるといいですね。

(2018.07.10)