内縁の妻の妊娠がわかり……
内縁関係を約束し、同棲を初めてちょうど1年が経つ頃、明未さんの妊娠が分かりました。
明未さんは、子どもが産まれるまでに結婚したいと両親に相談、
すると両親は「借金の残額を立て替えてもいい」と言ってくれ、その旨を由祐さんに伝えました。
由祐さんは、明未さんの妊娠を喜んでくれましたが、
「借金は全額自分で返したい」と立て替えてもらうことを拒否。
「結婚は自分の力で借金を返済してから」という意志を変えようとはしませんでした。
明未さんは妊娠初期で気持ちが不安定になりやすい事もあり、
「どうして結婚できないの!」と常にイライラしていました。
そして、由祐さんの顔を見る度にその話をするように……。
明未さんも(同じ事ばかり聞いても仕方がない)と分かってはいましたが、
どうしても不安になり、その話を切り出してしまうのでした。
家を飛び出して向かった先は?
ある日、いつものように結婚の話になり、イライラした明未さんが
「どうせ、責任取るのが嫌なだけでしょ」と、売り言葉に買い言葉のように言うと、
由祐さんは「もう、ごめん・・・。」と言って家を出て行ってしまいました。
明未さんは明日になれば帰ってくるだろうと思い、その日は由祐さんを放置し、
特に探す事はしませんでした。
しかし、その次の日も由祐さんは帰宅せず、
さらに携帯に連絡しても繋がりませんでした。
会社はその日以来、休みを取っているとの事でした。
由祐さんが家を出てから3日目、いよいよ心配になった明未さんと両親は
警察に由祐さんの家出を届け出ました。
そしてどこへ行ったかの手掛かりもなく、途方に暮れた明未さん家族は、
探偵に人探しを依頼することに……。
調査の結果、由祐さんはすぐに見つかりましたが、驚きの事実が分かりました。
なんと由祐さんは、由祐さんの元妻と子どもの所にいたのです。
由祐さんは学生時代に子どもが出来て、学生結婚をしていました。
そして学生時代に手を出した事業に失敗し、多額の借金を抱え
元妻の両親に借金を返し終わるまで離婚をするようにと言われ
戸籍上は離婚をしていました。
しかし、それからも元妻とはずっと連絡を取り合い、
元妻の友人に「いつか戻りたい」と話をしていたという由祐さん。
元妻の周りの人は、由祐さんに内縁の妻がいたなんて誰一人知りませんでした。
明未さんはその結果を見て、大きなショックを受けていました。
すぐに、由祐さんの元へ行き、事情を聞き出すと、
「内縁関係と言っても口約束で、結婚は考えてなかった」と言い、
「子どもについても、本当に自分の子かどうかわからない」とまで言い始めたのです。
明未さんと両親は弁護士に相談しましたが、
「内縁を証明する書類などがない為、厳しい戦いになるかもしれない」と言われてしまいました。
明未さんと両親は、話し合って今回子どもはあきらめて、
由祐さんの事をどう対処するか考えると言っていました。
由祐さんがした事は、許せない行為です。
しかし、口約束だけで内縁関係にしようと生計も別、書類等も無いともなると
いざという時に、「内縁ではなかった」と言い逃れられてしまうこともあるようです。
今回、明未さんに全く非はありませんが、もう少し知識があれば
有利に話を進める事が出来たのかもしれません。
結婚以外にも、パートナー同士の形には色々ある現代ですが、
どの形を取るにしても、その「形式」についてよく理解し、きちんと先の事まで考えられるといいですね。
(2019.01.23)