家を引き払い携帯電話も解約
離婚後、鬱状態になり仕事を辞めた豊さんは、家から出ずに過ごしていました。
しかし、退職してから4カ月が過ぎた頃、家族で住んでいた家に一人でいる寂しさと、
家賃の高さから引っ越しを決意して、家にあるものを全て引き払うことに。
この時、携帯電話も解約……今まで連絡を取り合っていた友人達にも
一切行先を告げずに豊さんは突如姿を消してしまいました。
その事を聡司さんが知ったのは、再度母の件で豊さんに電話をしたとき。
携帯電話も家の電話も繋がらず、元妻の携帯電話に電話をすると
「離婚後、連絡取っていないので分かりません」と言われてしまったのです。
聡司さんは慌てて豊さんの家を見に行きましたが、既に豊さんの姿はありませんでした。
そして豊さんが勤めていた会社に連絡をして初めて、豊さんが鬱を患っていた事を知ったのです。
聡司さんは驚いて他の兄弟にすぐに相談をしましたが、弟と妹は「放っておいても又連絡が来るよ」と
大事にとらえている様子は無く、まるで他人事。
聡司さんはこのまま放っておくことが出来ず、どうにか居場所の手掛かりを掴めないかと
豊さんの友人関係をあたり、一人で探していました。
手掛かりがなく八方塞がりな状態に
電話を解約し、友人にも行先を告げず姿を消した豊さんを探すのは至難の業でした。
もともと母が亡くなるまで連絡を取り合っていなかった事もあり、
豊さんについて知っている情報が余りにも少なすぎたのです。
そして聡司さんは警察に豊さんの捜索願を提出。その足で探偵に人探し調査を依頼しました。
調査の結果、豊さんは関西で住み込みの仕事に就いている事が分かりました。
工場の軽作業員として、新天地で心機一転頑張っていたのです。
聡司さんは豊さんに会って「これからは兄弟をもっと頼ってほしい」と伝えました。
そして新しい携帯番号を聞き、その日は一緒に飲みに行ったそうです。
何処にいるの分からない、連絡も取れない……
その人が鬱を患っていると知ったら、命の危険を感じ「早く探し出さなくては」と思いますよね。
「そのうち帰って来るだろう」と思うのは危険な事です。
人探しは何よりもスピード勝負。早く探し始めるほど、早期発見の可能性が高まります。
これからは、希薄になっていた兄弟関係を見直して、助け合いながら過ごして欲しいですね。
(2019.03.07)