会社への借金を月々1万円ずつ返済する従業員。返済前に退職したくなったらどうする? その他のトラブル
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120万円を月々1万円ずつ返済

一人暮らしで車が趣味の西原さんに貯金が全く無い事を、山田さんは知っていました。
毎月の車ローンと奨学金の返済もある西原さんに、120万円を一括で支払わせるのは難しいと判断した
山田さんは、「返済は給料から一定額の天引きでもいい」と、話を持ち掛けました。
すると、西原さんは「月々1万円ずつの返済とさせて下さい」と申し出てきたのです。
山田さんはもう少し頑張れないかと何度も確認しましたが
「1万円が限界なんです。でも、必ず払います」という西原さんを信じ、
120万円の貸付という形で「利息はなし120万円を毎月1万円づつ返済する」内容で
念書と借用書を用意して、その翌月から月1万円の返済が始まりました。

西原さんはその2年後に、彼女が妊娠をして結婚しましたが、
西原さんの浮気が原因ですぐに離婚。
慰謝料と養育費で更に生活は苦しくなっているようでした。
離婚後の西原さんの生活は、かなり荒れていましたが、仕事に関しては一貫して真面目で、
さぼる事もなく、相変わらず社外でも評判の良い働きぶりでした。
しかし、給料が上がってもボーナスが出ても「月々1万円」の返済額は変わらず……
西原さんはコツコツと1万円を払い続け6年が過ぎました。

「あと4年で終わるな、ここまで頑張ったな」
ある日、飲み会の席で山田さんが西原さんに声をかけると、
西原さんは「はい、ありがとうございます。」と嬉しそうに答えたと言います。
しかし、その1週間後西原さんは会社を無断欠勤。
そのまま連絡が取れなくなったのです。

予想外の退職にとまどう社長

一人暮らしの家は引き払われて、携帯も繋がらず・・・。
退職代行サービスを利用して会社を辞めて行ったのです。
そんな西原さんに、山田さんは大変腹を立てました。
返済がまだ終わってない事も理由の一つではありましたが、
何よりも、西原さんの「不義理」に腹を立てていたのです。
実家に訪ねても「ここには居ない」の一点張り。更に借金の件を両親に相談するも
「保証人になっているわけでもないので、返済の義務はない」と……。

山田さんは、一度きちんと西原さんと話をしたいと思い、探偵に借用書、念書、支払い記録を提出し
債権者である事を証明して、西原さんを債務者として人探し調査を依頼しました。
調査の結果、西原さんは実家にかくまわれていた事が判明しました。
理由は分かりませんが、西原さんは仕事もせずに家の中にこもり、
時々タバコを買いにコンビニへ行くだけの生活をしていたのです。

山田さんは、その報告書を持って西原さんの実家に行き、話をしたいと申し出ました。
そして、両親の立ち合いの元話し合いの席を設ける事に。
西原さんは「借金を盾にされて会社を辞めさせてもらえない」と
両親にずっと相談していたというのです。
そして、なんと両親は
「6年間も支払ってきたのだから禊はもう十分ですよね。仕事を辞めても問題ないはずです」と
山田さんに反論してきたのです。
あまりにも矛盾した話と、西原さんの気持ちに山田さんは驚きました。
そして、両親に借金の理由と残額を説明しましたが、
両親は「息子はおたくのせいで、ストレスが溜まり、病気になって働けないんですよ」と
山田さんに対し敵を見るような目で睨みつけ、その日はそのまま追い返されてしまいました。

山田さんは、
「裏切られた気分です。お金というよりも、可愛がっていただけに本当にショックです」と落胆していました。
今後は弁護士を通じて、残金を請求していくそうです。
これまで散々お世話になり、自身が起こした事故の借金を利子無しでお金を貸してくれたのに、
意味不明で余りに自己中心的な理由で社長を裏切った西原さん……。
会社を辞めるのは本人の自由です。
ですが、それは不義理を果たしてからにして欲しいですね。

(2019.03.08)

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