待ちに待った連絡が来て……
ひまりさんに連絡先を教えた陽太さんは、それから毎日ひまりさんからの連絡を待っていました。
しかし、連絡が来たのはそれから3週間後、
それは「店を移動したので、来てください」と、形式ばった連絡でした。
しかし、それでも陽太さんは連絡をもらえたことを喜び、
すぐにひまりさんが働く新しい店に電話を入れて指名しました。
久しぶりに見たひまりさんは、やつれ、覇気がないように見えました。
ひまりさんは店を辞める直前から、急な不安に襲われるようになり、夜も眠れなく、
意味もなく悲しくなったり起きれなくなるなど、
うつ病の症状が出てしまったと言うのです。
今はどうにか復帰して、移動する予定だった店で働き始めたとのことでした。
それからも陽太さんは何度もひまりさんを指名し続けました。
そして、徐々に業務連絡以外のメッセージをやり取りするようになり、
ある日、ついに陽太さんはひまりさんに告白をしたのでした。
そして店を辞めることを条件に
ひまりさんは風俗を辞めると約束し、
結婚を前提に陽太さんと交際することになりました。
病気のこともあったので、陽太さんとひまりさんはすぐに同棲を開始。
最初のうちは、派遣や日雇いなどの仕事をしていたひまりさんですが、
徐々に働くことができなくなり、陽太さんが仕事で少しでも遅くなったり、
連絡を返さないと過度に心配するようになりました。
そして、交際3年目が過ぎるころにはうつ病の症状は悪化。
一度環境を変えた方がいいということで、交際4年目に突入する春に、
ひまりさんは実家に帰ったのでした。
それからは遠距離恋愛がスタート。陽太さんは月に2~3回はひまりさんに会いに行き、
ひまりさんの両親と食事をしたり、
毎日連絡を取り合いながら気長にひまりさんを待っていました。
しかし、ある時から急にひまりさんが派手になったことが気になるように。
「仕事ができず、お金がない」と言っていたはずのひまりさんが新しい服や鞄を持ち、
化粧もしっかりとするようになったのです。
陽太さんは「まさか、そんなはずは・・・」とは思いながら、
ひまりさんが暮らす地域のデリヘルをチェックしました。
すると、顔にぼかしが入ってはいましたが、ひまりさんらしき人物の写真が掲載されていたのです。
陽太さんは、ひまりさんとの今後を見極めるために
探偵にひまりさんの行動調査を依頼することにしました。
調査の結果、陽太さんの予測通り、ひまりさんはまた、
デリヘル嬢として働いていることが分かりました。
ある程度覚悟はしていたとは言え、自分との「約束を破った」ということに
陽太さんは大きなショックを受けていました。
そして、
「この仕事が原因で病気になったはずなのに、どうして戻ってしまったのか、理解できません」
と言っていました。
これから陽太さんがどんな判断をするかは分かりませんが、
ひまりさんは、自分を信じてサポートしてくれていた人を
裏切ったという事に早く気が付いてほしいですね。
(2019.06.24)