前の夫との縁が切れてない?
弘道さんと道子さんが会い始めて3カ月がたつ頃、弘道さんは道子さんから
衝撃の事実を聞かされます。
それは、「実はまだ夫名義のマンションに住んでいる」ということ。
話によると、夫は離婚後不倫相手と住んでいて、道子さんは夫の親から譲り受けた
夫名義のマンションに住み続けているとのことでした。
ずっとパート勤めだった道子さんは、引っ越すこともできず、
元夫側から何も言われないので、そのまま住んでいたと言うのです。
ある日道子さんは「弘道さんと出会って、家を出る決意ができた」と、
弘道さんに報告……
弘道さんも「そうしたほうがいい」と道子さんのアパート探しに協力し、
道子さんは、パートで貯めてきた貯金を使い、小さなアパートを借りることになりました。
しかし、ある日道子さんから「夫に家を出ようとしたことがバレて、今までの家賃を請求され、
貯金を持って行かれてしまった」と弘道さんに連絡が入りました。
「どうしてそんなことになったの?」と、弘道さんは聞きましたが、
道子さんは「もういや。早く家を出たい」と繰り返すばかり……。
しかもアパートの契約も進んでいるとのことで、弘道さんは道子さんに
契約金と家財道具を買う費用、100万円を貸してほしいと言われました。
弘道さんは、悩みましたが、
(このままでは道子さんが一人暮らしをすることができない、せっかく出会えた人だし……)
と100万円を渡し
「返さなくてもいいから、このお金でしっかり生活を立て直して、時期が来たら
私との結婚を考えてほしい」とプロポーズしたのです。
道子さんは泣きながら「はい。私でよろしければ、ぜひ、結婚を前提にお付き合いをしてください」
と返事し、2人は近い将来結婚をすること約束しました。
引っ越し後に、連絡が途絶えるようになり
引っ越したらすぐに弘道さんを家に呼びたいと言ってくれていた道子さんでしたが、
いつまでたっても道子さんから家に呼ばれることはありませんでした。
それどころか、徐々に連絡も減ってくるように……。
弘道さんは、道子さんに何かあったのでは?と心配になり、
道子さんのアパートを何度か尋ねましたが、道子さんはいつも不在……
本当に住んでいるのか心配になった弘道さんは、
探偵に道子さんの結婚前調査を依頼することにしました。
調査の結果、そのアパートに道子さんは住んでいませんでした。
道子さんはなんと、夫と子どもと幸せに近くの一軒家で暮らしていたのです。
弘道さんはその報告書を見て、「これは……」と、言葉を失っていました。
しかし、すぐに「そういうことだったんですね」と諦めたように、「いい勉強になりました」と……。
弘道さんは、道子さんを責めることはしないそうです。
そして、お金に関しても
「もともと戻ってこないと思って渡したお金です」と、請求しないと言っていました。
弘道さんのような人を「結婚」を餌に騙したことは、立派な結婚詐欺です。
弘道さんには、本当に信頼できる人生の伴侶と幸せな老後を過ごしてほしいですね。
(2019.07.29)