こんにちは。らむねです。
一人っ子だと思って生活してきたのに、ある日突然腹違いの兄妹がいると分かったらどうしますか?
ひと目会ってみたいと思う気持ちが芽生えても、兄妹がどこにいるか分からなかったら、会うこともかないませんよね。今回は、そんな気持ちで兄妹を探し、さらに信じられない事実を知ったお話です。
母が妹を養子に出した理由……真実を知らなかった長女が、全てを知ったのはなぜ?
林田妙恵子さん(33歳)は、独立するまで両親と3人家族として暮らしてきました。
それなりに裕福な家庭で、両親とも仲良く生活してきた妙恵子さんですが、30歳を機に一人暮らしを開始。
とは言っても実家の近くにある小さなアパートを借りたので、食事はほぼ実家に食べに行き、週末も実家で過ごすことが多くありました。
1年前に妙恵子さんの父に重篤な病気が見つかり「余命半年」と告げられてから、妙恵子さんが実家にいる時間はさらに増えました。
父の病気と向き合いながら家族で過ごす時間を大切に過ごし、余命宣告から10カ月は平穏に毎日を過ごしていたのですが、数か月前に急激に父の病状が悪化。先月帰らぬ人となってしまいました。
憔悴しきっている母のため、妙恵子さんは父の葬儀の段取りなど、あらゆる手続きを手伝いました。
そして、相続などの書類を整理している最中、妙恵子さんには養子に出された「妹」がいることが発覚したのです。
妙恵子さんには、母が妊娠していた記憶はありませんでしたが、小さい頃に「親戚の赤ちゃん」を預かっていた記憶はありました。
しかし、その赤ちゃんと会った記憶はその時期の1度だけ。その後は会うこともなく、その赤ちゃんの話題になることもありませんでした。
まだ、小さかったために、記憶があいまいになっていましたが、親戚の子だと認識していた子が、実の妹だったのです。
妙恵子さんは、複雑な気持ちで母に妹について聞いてみました。
母は「仕方がなかった」と言葉を濁していましたが、きちんと教えてほしいと妙恵子さんが追及すると、しぶしぶその時のことを話してくれました。
望まれてできた妹だったのに
妙恵子さんの兄妹を望んでいた父と母は、計画的に第2子を授かったそうです。
しかし、生まれてきた子どもには大きな障害があり、それが原因で母はうつ病になってしまいました。そしてうわごとのように「妙恵子とこの子と心中したい」と、毎日繰り返すように……。
病院の先生からも「このままでは危険」と言われ、夫婦で何度も話し合った結果、妹を養子に出すことになったというのです。
妹はどこに?
母自身、その頃の記憶がところどころ抜け落ちていることに加え、父が主な手続きを行ったために、今、その子がどこで暮らしてどのような生活を送っているのか、全く分かりませんでした。
しかし、妙恵子さんは、それを聞いて「姉妹がいた」という事実を始めて実感しました。
そして妙恵子さんは「妹に会いたい」と強く思うようになりました。
母や親戚にその頃のことを聞き、情報をできる限り集めました。しかし手がかりはあったものの、どう探したらいいのか分からず、探偵に妹探しを依頼することにしました。
調査の結果、妹は養父養母と暮らし、障がいと向き合いながら仕事をしてしっかりと生活をしていました。
妙恵子さんは、当初妹と会いたいと思っていましたが、妹の生活ぶりを知ったことで
「今が幸せだと知れたなら、それで十分です」
と言い、その代わり妹の両親へ「何かあったら」と自分の住所を書いた手紙を渡すことにしたそうです。
家族仲良く生活をしてきた妙恵子さんは、「妹がいた」という事実を自分だけが知らなかったことにショックを受けたそうですが、今は「探し出してもらって、妹は幸せに暮らしていると知ることができて良かった」と言っていました。
それぞれの家庭にはいろいろな事情があります。
妙恵子さんも妹もこれからの人生を幸せに歩んでいってほしいですね。
(2020.03.16)