全否定されたと感じた姉がとった行動とは

夜中に涼子さんが起きるほどの口喧嘩になった原因は、
ちょうど目が覚めてお茶を飲みにリビングに降りていた母と、
お酒に酔いバタバタと帰ってきた富士子さんが鉢合わせてしまったことで勃発しました。

「こんな時間まで飲み歩いて恥ずかしい･･･」と怒る母に
「うるさい」とさっさと2階に上がる富士子さん。
そんな富士子さんの背後から
「そんなことじゃ、いつまでたっても女優になんてなれるはずがない。
一緒に飲んでいた仲間も同類よ。」と、母が声をかけたことで富士子さんが激高。
もはや収拾のつかない喧嘩になってしまったと言います。

喧嘩は中途半端に終結、その結果・・・

涼子さんと父が間に入り、その日はそのまま各部屋に入っていったと言います。
しかし次の日の朝、涼子さんが様子を伺いに部屋を開けると、
そこに富士子さんの姿はありませんでした。
母は富士子さんを「探さなくてもいい！･･･」と言い、何もできぬまま時は過ぎていったそうです。

そして、富士子さんが失踪して15年余り経った去年、母に癌が見つかりました。
先日、余命１年と宣告を受け、涼子さんは富士子さんを探すことを決意。
戸籍を調べたところ、結婚して子供がいることが分かったそうです。
しかし、戸籍に載っている住所に、富士子さんはいませんでした。

今までタブーとなっていた富士子さんの現在の状況を母に話すと、
「生きているうちに、富士子とその子供に会いたい」と言ったそうです。

時間も手がかりもない涼子さんは、探偵会社に人探しを依頼することを決意したと言います。
結果、富士子さんは現在サラリーマンの夫と２人の子どもと暮らしていました。
居場所が分かった富士子さんの家に向かい、涼子さんは余命１年の母の話をしたそうです。
家を出て1年もしないうちに劇団は辞めていたそうですが、
家に戻るタイミングを失い、帰りたくても帰れなかったと、
涼子さんを目の前にして、富士子さんはただただ泣いていたと言います。

お母さんが亡くなる前に、富士子さんは自分の子どもと夫を会わせることができました。
これからは姉妹２人で助け合っていくそうです。
時間はかかりましたが、どんなに喧嘩をしても家族は家族。
離れていてもお互いのことを想う気持ちは親子で同じだったんですね。

(2017.12.27)