姉を助けているつもりが実は……
三美子さんは、姉一人に負担をかけないようにと
なるべく実家に顔を出すように心がけていました。
力仕事や男手が必要な時は、自営業で時間に融通の利く夫を連れて行くこともありました。
娘、息子も小さい時からかわいがってくれていた近くに住む
「ばあば」が大好きだったので、
時々一緒に来てはお茶を飲んだりしていたそうです。
三美子さんは初子さんに
「もし、お友達と会ったり買い物に行きたかったりすれば、
私がいる間に心置きなく行ってきてね」と伝えていましたが、
初子さんはいつも家で一緒に過ごしてくれていました。
三美子さんはみんなで仲良く過ごすその時間が大好きでしたが、
初子さんはそうは思っていないことを、ある日唐突に告げられたのです。
「家族みんなで実家を乗っ取ろうとしても無駄だし、
みんなで来られて迷惑していることに気が付いてないの?
それに、私への当てつけのように、家族で幸せにしている様子を見せつけて、
そんなに楽しい?もう、来ないで!」
そして、豹変した姉
それから初子さんから、三美子さんへの嫌がらせが始まりました。
1日に何度も電話をかけて来ては、
「家のインターホンを押して逃げた・お金を盗んだ」などと意味不明な言いがかりをつけ、
三美子さんや家族の悪口を一方的に話すようになったのです。
母に聞いても
「初子はよくやってくれているし、変わった様子はない。今はちょっと見逃してあげて」と、
初子さんをかばっているようでした。
さらには近所の人にも
「三美子さんが不眠症だから助けている」などと、色々な嘘を言っているようで
何人かの仲の良いご近所さんから「大丈夫?」と心配されることも・・・。
そしてそのことについて三美子さんが「やめてほしい」とお願いすると、
初子さんは逆上して怒ってしまい関係性は最悪になってしまいました。
まずは冷静に話せるように
どうにもできなくなった三美子さんは夫と相談して、
「嫌がらせ行為」をしている証拠をとり嫌がらせをやめてもらい、
冷静に話し合う場を持ちたいと、探偵に行動調査を依頼しました。
調査の結果、初子さんが近所の人に「根拠のない嘘」を言っていることが発覚しました。
しかし、同時に精神内科に通院していることも分かりました。
三美子さんは、姉が離婚をして1人で不安な気持ちを抱えていることを
分かっているつもりでしたが、もしかしたら三美子さんが良かれともってやっていたことが
逆効果だったのかもしれないとハッとしたそうです。
兄弟を1人若い時に亡くし、今は2人きりの姉妹。
このまま縁を切ったり険悪な関係になったりするのは絶対に嫌なので、
少しでも歩み寄っていく方法を考えたいと言っていました。
身内だからこそ起きる「嫌がらせ」や「問題」は
身内だからこそ解決できる「きっかけ」もどこかにあるはず。
それを見つけ姉妹仲良くできるといいですね。
(2018.03.30)