高校生で彼女が妊娠、駆け落ちするも失敗……若い2人のその後の話 家族のトラブル
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子どもと彼女のために生きているのに……

克己さんのお給料は手取りで13万円程度。
月々、養育費3万円、子どもの為の貯金3万円、さらに学資保険4万円、
生活費の足しにと彼女に2万円を渡していて、
自分が使えるお金は毎月1万円程度しかありませんでした。

いつも母・悦子さんに、お金がないと愚痴をこぼし、
事あるごとに「もっと給料がいい会社に転職したい」「バイトのほうが稼げる」と言っていましたが、
悦子さんは「お世話になってる社長の下で頑張っていれば、お給料もきっと上がるよ。
せっかく正社員になれたんだから、頑張って」と、
常に克己さんを励ましていました。

子どもとの面会の日

克己さんが「今日は子どもと会う日だ」と朝から出かけて行ったその日、
夜になっても克己さんは帰ってきませんでした。
悦子さんは「彼女と子どもでゆっくり遊びにでも行っているのかしら」と、たいして心配もせず、
その日は克己さんの帰りを待たずに就寝。
克己さんが帰ってきていないことを知ったのは、次の日の朝でした。
(あら?彼女のところに泊れるはずはないのに、どうして?)と思い、
彼女に、メールを入れてみると、彼女からすぐ悦子さんの携帯に電話がかかってきました。
話を聞くと、昨日は午前から会い、
お昼をたべて少し公園で遊んだ後に克己さんは帰っていったというのです。
さらに不思議なことに、克己さんは車できていたと……。

それがレンタカーだったのか人に借りたものだったのかはわかりませんが、
克己さんは車を持ってはいなかったので、自分のものでないことは確実でした。
そして、会社からも「克己さんが出社していない」との連絡が……。
すぐにでも警察に届けを出したかったのですが、悦子さんは思い止まりました。
それは、前回の家出の際、警察が彼女の両親の元へ行ってしまい、
そのせいで克己さんの印象がさらに悪くなったという前例があったからです。
警察には届けずにどうにか克己さんを探し出したいと、悦子さんは探偵に人探し調査を依頼しました。
お金のことや人生のことで家出をした可能性と、
最近使っていたと思われる出会い系の女性と会っている可能性の両方で調査してほしいことを伝え、
すぐに調査を開始。その結果克己さんは、
彼女と通っていた高校の近くの海辺に車を止めて、その中に居ました。
特に何かをしていたわけでもなく、車の中でただ座ってぼんやりと海を見ていたそうです。

両親が迎えに行くと克己さんは、小さく「ごめんなさい」とだけ言って、
一緒に帰ることを承諾したそうです。
後から聞いた話では、克己さんは金融機関から20万円をキャッシングして、レンタカーを借りたそう。
お金もないのに出会い系に走って遊んでいる自分は、なんてダメな人間なんだと自暴自棄になり、
遠くへ行って人生をやり直したいと考えていたそうです。
しかし、彼女と子どもの顔が頭に浮かび、逃げ出したいと思いながらも
どうすることも出来ず車の中にいたとのことでした。

次の日から、克己さんはいつもの通りに仕事に行き、働き始めたそうです。
これまで克己さんは、周りが思うよりもギリギリのところで頑張っていたのですね。
一日も早く彼女の両親に認めてもらい、彼女と子どもと一緒に生活できる日が訪れるといいですね。

(2018.11.15)

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