こんにちは。らむねです。
高齢の夫婦のパートナーが病気や痴呆などで施設や病院に入り、それが長引いてしまい、
退院の見込みがない場合は、夫婦でありながらも別々の生活を送らなければなりません。
これからの高齢化社会、こんなケースが多くなっていくのではないでしょうか。
それは若い世代にとっても他人事ではありません。
今回は、そんな高齢の夫婦のお話です。
妻が認知症で自分のことをわからなくなったら? その時夫は……
松崎夏菜さん(54歳)は、結婚して家を出ていますが、
兄弟の中で一番、実家の近くに住んでいるので、父・富之さん(85歳)の様子を時々見に行っています。
富之さんは、3年前から1人暮らし。それまでは認知症の妻、幸恵さんの面倒を見ながら生活してきました。
幸恵さんの認知症がひどくなっても、富之さんは最後まで施設に入れることに反対していました。
しかし3年前の冬、富之さんが風邪をこじらせて入院した事で、
幸恵さんを施設に入れることを決断しました。
富之さんは風邪も回復し退院してからは、足が悪いという事以外は大きな病気もせずに、
1人で元気に暮らしていました。
幸恵さんが入院した直後は、頻繁に施設に足を運んでいましたが、
ある日、幸恵さんに「どちら様ですか?」と聞かれ、
富之さんは、日に日に色んな事が分からなくなってきている幸恵さんに会いに行くのが怖くなってしまい、
病院へ行くのは、月に1回程度になってしまいました。
施設を訪問したがらなくなった父
夏菜さんは、母の病院へ行った後実家に立ち寄ることが多く、
幸恵さんの様子を富之さんに伝えていましたが
「施設に入れたのは間違いだった。俺のこともわからなくなってしまった」と、
夏菜さんに恨み節を口にするように。
夏菜さんは、「誰だかわからなくなるのは認知症の症状」だと、
「認知症」という病気の事を、どうにか富之さんに理解してもらおうと努力しましたが、
富之さんは「自分のことを忘れるなんて」と、妻が自分を忘れてしまった事を受け入れられないようでした。
そして、この事がきっかけで、幸恵さんの面倒を一生懸命見てきた富之さんは
妻への愛情が薄くなってしまったようでした。
妻への気持ちが離れてしまった富之さんは、夫としてこれからどうする?
想像しなかった展開に……
(2019.01.07)