父の生活に変化が
幸恵さんの認知症が良くなる事はありませんでした。
夏菜さんは、母の問題行動で呼び出される事も増え、
富之さんに、もっと幸恵さんの所に会いに行って欲しいと思っていました。
そんなある日、夏菜さんが父に会いに実家に行くと、ある変化に気が付きます。
家の中が微妙に片付き、キッチンの使い方もいつもと違う形跡がありました。
富之さんに「誰か来たの?」と聞くと、明らかに動揺している様子……。
夏菜さんは「女性」だとすぐにピンときました。
富之さんは以前、幸恵さんが元気な時に浮気をしたことがあり、
「妻とは死別したと嘘を付かれ、結婚している事を隠していた」と慰謝料請求され揉めたことがありました。
もしかしたらまた、浮気しているのかもしれない……。
夏菜さんは、相手の女性が何処の誰なのかが分かる、手掛かりになるものはないかと家の中を調べました。
すると、富之さんの机から来週出発の2泊3日の旅行の行程表が出てきたのです。
男性1名・女性1名と記載されているその旅行は、明らかに女性と行くものでした。
(母は、生きているのに……)と、夏菜さんは富之さんに憤りを感じ、
すぐにその行程表を突き出し、旅行へ行くのを止めるように説得しました。
しかし富之さんは
「もう、お母さんは何もわかってないんだから、関係ないだろう。
一緒に旅行に行くのは友達だ。詮索するのはやめてくれ」と言ったのです。
不倫を自覚してほしい
夏菜さんは富之さんの行動を許せないと感じると共に、女性に嫌悪感を抱きました。
そして、父にその女性との関係を止めさせる為に、
その女性の身元をしっかり知りたいと、探偵に行動調査を依頼することに。
調査の結果、富之さんと一緒に旅行に行っていたのは、60代の女性でした。
その女性は行きつけの小料理屋で働いていて、なんとその女性にも施設に入っている夫がいたのです。
夏菜さんは悩みましたが、その女性に会って話をするそうです。
同じ境遇で寂しい気持ちを分かり合えたのかもしれません。
しかし、恋愛感情が無いとしても既婚者同士の2人が、一緒に旅行に行く事を肯定することは出来ません。
自分の妻に「どちらさまですか?」と聞かれたことがショックだったのは分かりますが、
だからと言って他の女性に走っていいとは言えません。
富之さんも、夏菜さん兄弟にも今一度、家族の事を振り返って考えて欲しいですね。
(2019.01.07)