定年後の夢を追いかけたい……仕事人間だった夫の老後の応援の仕方について 家族のトラブル
  • facebook
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINE

仕事に失敗した夫のその後

定年後の夢だった喫茶店経営に失敗した幸史さんは、抜け殻のようでした。
喫茶店経営に失敗した借金を返す為にも、
妻・侑加さんは幸史さんに働いて欲しいと思っていましたが、
侑加さんがパートに出ている間、幸史さんは家の中でテレビやネットを見て、
そのうち、うたた寝を始めるなどして過ごしていました。


近所の人と会いたくないという理由から、買い物や散歩で外に出るのは夜の時間帯のみ。
侑加さんが、何を言っても上の空で、
たまに帰って来る息子に「家に居るより外に出た方が、気が晴れるんじゃないの?」と
言われても頑なに自分の生活を変えようとはしませんでした。
そのような生活が続き徐々に侑加さんと息子は、幸史さんに何も期待をしなくなりました。

侑加さんは借金返済のために、貯めてきた預金を解約しました。
その貯金は、いつの日か時間ができたら、船で世界一周旅行をしたいと、
夫婦の夢の為に貯めてきた預金……。
幸史さんに貯金を解約したことを伝えても返事は「そうか」の一言だけでした。

家族のために?

次の日、侑加さんがパートから帰ると幸史さんの姿はありませんでした。
侑加さんは(やっと外に出る気になってくれた)と、その時は気にしませんでしたが
夕飯の時間になっても幸史さんは戻らず、侑加さんはいよいよ心配になってきました。
自転車で近所を探しに行きましたが見つける事は出来ず、
行先の手掛かりになる物がないかと家の中を探していると、
幸史さんがいつも使っているPCから、今後の自分の人生に関して書かれた
遺書のような文章を見つけました。
侑加さんは、すぐに警察に届け出。
一刻も早く見つけたい一心で、探偵に人探しも依頼することに。

すると幸史さんのPCから、夜行バスの時間を調べていた事が分かり、
すぐにそのバス乗り場へ向かうと、
バスが発車するギリギリの所で、幸史さんを見つける事が出来ました。
幸史さんは、自分の夢に侑加さんを巻き込み、借金を作り、
第2の人生を失敗してしまったと、ずっと気に病んでいたそうです。
そして自分さえいなくなれば……と考えたとのことでした。

侑加さんは、これからの時間は2人でゆっくり過ごしていきたいと幸史さんに伝え、
今住んでいる家を離れる事も考えているそうです。
幸史さんは大切な人を思って消えてしまおうとしましたが、
それは決して、残された人の為にはなりません。
これからは侑加さんと手を取り合い、今後の人生を歩んで欲しいですね。

(2019.01.10)

  • facebook
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINE
人気記事ランキング
注目タグ
Twitter
Facebook