離れて暮らす一人暮らしの高齢の母、息子に言えない「お金の使い道」とは? 家族のトラブル
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一体母はどうしてしまったのか・・・もしかしたら認知症?

利夫さんは、千昭さんが認知症になったのかと心配して、次の休みに千昭さんに会いに行きました。

千昭さんに変わった様子はなく、部屋も以前と変わらず整頓されていました。
話した感じもしっかりしていたので、認知症の心配はないと安心し、
「最近、無駄遣いが多いんじゃない?」と小言だけ言って、利夫さんは日帰りで自宅に戻りました。

しかし、千昭さんからの「お金を工面してほしい」という連絡は更に増え、
利夫さんは「この前工面したばかりなのに、やっぱりおかしい」と思うように。
妹と相談して、普段の生活状況を確認するため、探偵に千昭さんの行動調査を
依頼することにしました。

いい人の営業マン

調査の結果、千昭さんの家に頻繁に出入りする営業マンがいる事が分かりました。
その営業マンは、美肌、筋力維持、物忘れに効く等、沢山の高額サプリメントを
定期的に売りにやって来ては、家の中に入り片づけをするなど、
千昭さんの手伝いをして帰っているようでした。
千昭さんは、その営業マンの事を「タカさん」と愛称で呼び、
1度に50万円分のサプリメントを購入していたのです。

その結果を知って、利夫さんは驚き、すぐに実家へ行き千昭さんに事実を確認しました。
千昭さんは「あなたには関係ない」となかなか真実を話そうとはしませんでしたが、
棚から大量のサプリメントが見つかると、観念したように「あの人、いい人なのよ」と言ったそうです。

利夫さんは「あんなにしっかりしていた母が、そんな訪問販売に引っかかるなんて……」と、
ショックを受けていました。
そして、やはり同居をしたいと、それが無理ならばせめて近所に引っ越しする等、
これからの事をもっと真剣に話し合いたいと言っていました。

高齢になると判断力も鈍り、千昭さんのように親切にされると、
高額な訪問販売を断れずに購入してしまうケースは多々あるそうです。
今回、利夫さんが千昭さんの異変に気が付き、すぐに原因を追究する事が出来たから良かったですが、
中には、そのような「違法ではない巧みな手口」で全財産を訪問販売の営業マンに取られてしまう人も……。
これは、親と離れて暮らしている人にとっては他人事ではありませんよね。
これからの高齢化社会、見守り注意し合う事が、更に大切になってくるのかもしれませんね。

(2019.01.24)

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