こんにちは。らむねです。
別居が結婚生活の8割以上を占めていても、
「離婚はしない」
という選択をし続ける夫婦がいます。
子どもや生活費、自由のためなど理由は様々ですが、離れているからうまくいっていると感じている夫婦もいるようです。今回はそんな別居のおかげでいい関係が保たれていた夫婦のお話です。
結婚生活のほとんどを別居で過ごした夫婦……結末は離婚or再構築?
麻生結菜さん(50歳)は、夫・奏汰さん(54歳)と息子(22歳)の3人家族。
子どもが産まれる前は、特に何も問題がなく生活していましたが、結菜さんが里帰り出産を終えて家に戻ったころから奏汰さんの態度が急変。
決定打となったのは子どもの調子が悪かったある日のこと……
朝から病院へ行き、1日中ぐずぐずと機嫌が悪い子どもにつきっきりだった結菜さんはその日、家事をする間もなく、キッチンやテーブルの上が散らかったままの状態でした。
やっと子どもが寝たのは夕方すぎ。
奏汰さんが帰って来る時間にも気が付けないくらい疲れていた結菜さんは、
子どもと一緒にウトウトと寝てしまっていました。
しかし、何も知らない奏汰さんは仕事から帰り、散らかったキッチンと暗い部屋、
そして子どもと寝ている結菜さんを見て
「何寝てんだよ!」と突然頭を叩いたのです。
びっくりして飛び起きた結菜さんとその声に驚いた子どもが泣いたことで、奏汰さんはさらに激高。
「1日家にいて、何もせずに寝てるなんて、いい身分だな!
早く子ども泣き止ませろよ」
と結菜さんを思い切り突き飛ばして部屋を出て行ってしまいました。
結菜さんは子どもの調子が悪かったことと、疲れてウトウトしてしまったことを伝えましたが、その日奏汰さんの機嫌は直りませんでした。
手をあげることが日常的に
それからと言うもの、何かにつけて奏汰さんは結菜さんに手を挙げるようになりました。
特に子どもが泣いたり言うことを聞かなかったりすると、態度が急変するように。
普段はいいお父さんとして子どもと遊んだりお風呂に入ったりしてくれるのに、
何かのスイッチが入ると突然結菜さんを呼びつけ、暴力を振るうようになったのです。
子どもに手をあげることはありませんでしたが、結菜さんは
(このままではいつか子どもにも暴力を振るうかもしれない)と、
危機感を覚え、
しばらく別居するつもりで家から30分離れた実家へ帰ることを決意しました。
奏汰さんは、実家に帰ったことに対して特に怒ったりはしませんでした。
ただ、「どういうつもりだ」としつこく聞いてきたので、結菜さんが
「しばらく別居をしたい。離婚をするつもりはない」
という意思を伝え続けました。
別居中、子どもに会いたがる奏汰さんのために、
結奈さんは家族で食事をしたり、出掛けたりする時間を頻繁に作っていました。
そして生活が別になったことで、奏汰さんからの結菜さんへの暴力はなくなり、表向きには「問題ない」家族として過ごせるようになりました。
別居していることが普通の夫婦
そして、その状況は気が付けば21年目に突入。
生活費も振り込んでくれて、週に1度以上は必ず家族で食事をする生活は、いつしか居心地のいい日常となり、子どもの学区や苗字のことなどを考えると、なにも変わらずに別居を続けることが得策だと考えるようになっていました。
そして何より
「一緒に住んだらまた手を挙げられるかもしれない」
という恐怖が心から消えたことはありませんでした。
奏汰さんも「戻ってこい」とは言わず、
父として夫として「できること」
を探してくれているようでした。
病気で夫が倒れたことで……
ある日結菜さんの勤務先に「旦那様が倒れました」と、
病院から連絡がありました。
幸い大事には至りませんでしたが、しばらく入院をすることになったため、
結菜さんは入院に必要な書類を揃え、奏汰さんの家に着替えなどの荷物を取りに行くことに。
久しぶりの我が家……多少荷物は増えていましたが、
当時から特に模様替えをした様子もなく、
ふと「なつかしさ」を覚えた結菜さんは、ベランダに出て外の景色を見てみることに。
すると、そこに女性用のサンダルが置いてあったのです。
嫌な予感がした結菜さんは、とっさにキッチンを確認……
すると、明らかに女性とペアで使う食器や奏汰さんが一人では買わないような趣味のキッチン用品が収納されていたのです。
結菜さんは、奏汰さんの不倫の影に大きな怒りを覚えました。そして、今まで一度も考えたことがなかった「離婚」の文字が頭をよぎりました。
奏汰さんが入院中は妻として普通に接していましたが、
一方では弁護士の無料相談へ行き、
「しっかりと証拠を取ったほうがいい」
とアドバイスをもらい探偵に浮気調査をしてもらう手配をしていました。
そして退院後、あらかじめ部屋を調べて分かっていた情報をもとに
奏汰さんを調査。祐奈さんが目星をつけていたスナックで働く女性と不倫をしていたことが分かりました。
結菜さんは、それを見て
「まずは夫と女性に慰謝料を請求します。
離婚についてはその回収が終わってから、離婚でも慰謝料を取れるようにもう一度時期を考えます」
と言っていました。
自分の暴力が原因で別居になったにも関わらず、表向きは「家族」を演じ裏では不倫をしていた奏汰さんには、これから「慰謝料」という大きな制裁が下ります。
長い別居の末、奏汰さんは再構築どころか家族を失う結果になってしまいましたね。
(2019.12.16)