ネットワークビジネスにハマり、多くを失った息子が目を覚まして戻ってくるまでの話 家族のトラブル
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みんなで勝ち組になれる、夢を追いかけて

修斗さんの参加した投資話は、
100万円の情報商材を売ってそのマージンをうけとり、
みんなで成功していくというものでした。
ねずみ講と似ているが、これはネットワークビジネスで
世界的にも認められている・・・
このやり方で成功すれば、
コツコツ働いて、毎月少ない給料で会社に縛られるような人生ではなく、
「勝ち組」としてセレブな生活が送れると修斗さんは信じ、
大学でも手あがり次第に声をかけ、
街でも女の子をナンパしてはこの話を持ち掛けるように。

大学では、だんだんと修斗さんの悪いうわさが広がり、
声をかけても無視をされることが増えました。
しかし、投資商材の仲間は修斗さんの頑張りを無条件でほめてくれました。
修斗さんはだんだん学校に行くことがばかばかしくなり、
どんどんとネットワークビジネスの世界にのめりこんでいきました。

甘くない現実と諦められない夢

しかし、思ったように成果が上げられなかった修斗さんには
情報商材の仕入れにかかるお金の負担がのしかかります。
さらに、ビジネスに没頭し大学も欠席し続けていたため退学処分に…
このことが親に知られ、修斗さんは親から実家に戻るように言われますが、
「勝ち組」にこだわる修斗さんはそれを拒否。
「東京でもう少しで成果が出せるから」と、
月に何度も、あちこちの飲み会に参加しては勧誘を続けていました。

そして修斗さんは「勝ち組」になるための投資として、
毎月のローンと飲み会の会費やそれにかかる雑費にも追われるようになり、
借金を重ねるように・・・。
キャッシュカードも上限いっぱいになりどこからもお金を借りられなくなった時に、
修斗さんは初めて我に返りました。
(取り返しのつかないことをしてしまったかもしれない)

修斗さんは、投資商材の仲間からの連絡や借金の督促状から逃げるように、
誰にも何も伝えずに遠くへ逃げることにしました。

そして、両親に連絡が・・・

修斗さんの両親は、下宿先の大家さんからの連絡を受けてこのことを知りました。

家賃の振込もなく、家に人の気配もしないとの連絡をもらい、
慌てて下宿先に行くと、ポストにはたくさんの借金の督促状が…
家の中からは携帯電話とノートパソコン、通帳がなくなっていました。

警察に届け出ましたが、すぐには動いてくれなかったため
探偵に家出調査を依頼。
家の中から季節外れの厚手の上着がなくなっていたことや
机に無造作に置かれた金券ショップの領収書の金額と、
ATMの引き出し履歴から居場所に目星をつけ探したところ、
修斗さんは東北のある街の漫画喫茶で発見されました。

修斗さんと両親が話し合った結果、修斗さんは実家に戻ることになりました。
クーリングオフの期間は過ぎていましたが、クーリングオフの申請もしてみるそうです。
そして、残った借金は地道に働いて、返していくとのことでした。

せっかく夢だった有名私立大学に入学して順調だったと思われた修斗さんが、
ネットワークビジネスにはまってしまったのは、
ちょっとした心の隙間をその仲間が埋めてくれたからです。
修斗さんは今回のビジネスでは成果を十分に上げることはできませんでしたが、
これを授業料だったと思えるくらいに、今後「勝ち組」をめざして邁進していけるといいですね。

(2018.04.16)

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