子どもの将来の夢と親が進ませたい進路……食い違っているときのベストな対応はあるの? 家族のトラブル
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「夢の為の今だ」と大人達は言うけれど

一秋さんは、進路を聞かれるたびに「福島の高校」と答え、
自分で寮や下宿も調べていました。
両親は「将来の夢なら、こちらの高校、大学へ行ってからでも遅くない」と言い、
中学校の先生からも「関西の高校に進学するのが、あなたの為になる」と言われ続けていました。
「将来ボランティア活動をしていく為には、しっかりとした仕事に就かなければならない」
周りの大人達の言うことは理解出来ました。
しかし、それならば少しでも早く福島に帰った方がいいのではないかという気持ちを
どうしても消す事が出来ませんでした。

そして、悩みに悩んだ結果、一秋さんは「進学はせず、福島へ行って働く」ことを決意。
両親や先生に言っても、どうせ反対されると思った一秋さんは

「探さないでください。僕は、自分の人生は自分で決めます」と書置きを残し、
その日の深夜に自転車で東北を目指すことにしました。

そして、夢に向かって動き始めた息子

朝、なかなか起きてこない一秋さんを起こしに行った母・君枝さんが、書置きを発見。
すぐに父・水樹さんに書置きを見せて家出の事実を伝え、
学校には「休む」と連絡を入れ、両親はすぐさま警察に届けを出しに行きました。
警察は「事件性も少なく、数日で帰ってくる可能性もある」と、
すぐには動いてくれませんでした。
居ても立っても居られず水樹さんは「何かある前に探し出したい」と、探偵に人探しを依頼することに。

少量の荷物と、10,000円程度の資金、自転車での移動と書置きを手掛かりに調査を開始。
すると、隣県の公園で休んでいる一秋さんを発見しました。
両親が迎えに行くと、あきらめた様子で抵抗する事はなかったそうです。
水樹さんは「もう少し、本気で一秋の言葉に耳を傾けるべきだった。
寮や下宿生活で高校に通学するのは現実的ではないけれど、
もう一度ちゃんと話を聞いて考えてみたい」と言っていました。

自分のなりたい将来に、高校や大学が直結しないことや、
なりたい自分になるにはどうしたらいいのか、悩み、迷った人は少なくはないはずです。
「まだ若いから、急がなくても大丈夫」と思うのは、大人の意見……
10代の当事者にはいつだって「今」なんです。
若いがゆえに間違えてしまう事もあるでしょう。
一秋さんの将来の夢はとても立派です。
この夢を持ち続け、叶えられるように、
周りの大人たちは見守りながら、良い方向にサポートしていけるといいですね。

(2018.12.17)

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